導入
「Webデザイナー=見た目担当」「ディレクター=進行役」。
日本のWeb業界では、このようなイメージが定着しています。
しかし、海外、とくにGoogleやApple、Meta(旧Facebook)、Amazonなどの大手テック企業では役割の定義がまったく異なります。
この記事では、日本と海外におけるWebデザイナー・ディレクターの違いを整理し、学習やキャリア形成に役立つ視点を解説します。
日本のWebデザイナーは「グラフィック寄り」
日本で「Webデザイナー」と呼ばれる職種は、実態として グラフィックデザイナー寄り の業務を担うことが多いです。
- バナーやLP(ランディングページ)のビジュアル制作
- PhotoshopやFigmaを使ったデザイン作業
- 見た目を整えることが中心
サイト全体の設計やユーザー体験の設計までは踏み込まないケースも多いため、「Webデザイナー=見た目担当」という認識が広まりやすいのです。
海外のWebデザイナーは「UI/UX寄り」
一方、海外では「Webデザイナー」という肩書き自体はあまり使われません。
代わりに Product Designer や UI/UX Designer と呼ばれるのが一般的です。
その役割は、ビジュアル制作にとどまらず ユーザー体験を設計すること にあります。
- ユーザーリサーチや課題抽出
- 情報設計、ワイヤーフレーム作成
- プロトタイプ作成とユーザーテスト
- 最後にUIデザインを仕上げる
つまり、海外のWebデザイナーは「見た目を作る人」ではなく、体験を設計する人 なのです。
日本のWebディレクターは「進行役」
日本のWebディレクターは、主に 進行管理やクライアント対応 を担う立場として認識されています。
- スケジュール管理やタスク調整
- クライアントとのやり取り
- 制作チームへの情報伝達
制作経験がなくても任されるケースも多く、現場では「伝言係」「司会進行役」と見られがちです。
海外のWebディレクターは「指揮者」
海外では「Webディレクター」という呼び方は一般的ではなく、Project Manager や Product Manager が近い役割を担います。
その立場は単なる進行役ではなく、プロダクト全体の指揮者 です。
- プロダクトのビジョン策定
- 要件定義や優先順位付け
- デザイン・開発・マーケティングを束ねて推進
- 制作や開発の理解を前提に、チームをリード
海外のディレクターは「司会進行」ではなく、責任を持ってプロジェクトを導くリーダー として位置づけられています。
日本と海外の違いを比較してみる
ここまでの内容を整理すると、日本と海外におけるWebデザイナー/ディレクターの違いは次のようになります。
職種 | 日本 | 海外 |
---|---|---|
Webデザイナー | グラフィック寄り(見た目担当) | UI/UX寄り(体験設計者) |
ディレクター | 進行役(伝言係的な立場) | 指揮者(制作理解を前提にリード) |
FAQ:日本と海外のWebデザイナー/ディレクターに関するよくある質問
Q1. 日本のWebデザイナーと海外のWebデザイナーの一番大きな違いは何ですか?
A. 日本のWebデザイナーはグラフィック寄りで、バナーやLPなど「見た目のデザイン」が中心です。
一方、海外のWebデザイナー(UI/UXデザイナーやProduct Designer)は、ユーザー体験の設計(リサーチ・ワイヤー・プロトタイプ・テストまで)を担う点が大きな違いです。
Q2. 日本のWebディレクターと海外のディレクターの違いは?
A. 日本のWebディレクターは主に進行役としてスケジュールやクライアント対応を担います。
一方、海外のディレクター(Project Manager / Product Manager)はプロダクト全体のビジョンを描き、制作・開発・マーケをリードする「指揮者」としての役割を持ちます。
Q3. 日本でも海外のようにUI/UXデザイナーやProduct Managerという役割はありますか?
A. ありますが、まだ一般的ではなく、職種の定義も曖昧なまま使われることが多いです。
特に「Webデザイナー」と「グラフィックデザイナー」の区別が曖昧なため、日本では「見た目担当」という認識が根強く残っています。
Q4. 将来的にWebデザイナーを目指す場合、日本と海外どちらの基準で学ぶべきですか?
A. 海外基準(UI/UX寄り)の学び方を意識することをおすすめします。
ユーザー体験を理解し設計できる人材は、日本国内でも需要が高まっており、キャリアの幅が広がります。
Q5. ディレクターを目指すなら、まずどんなスキルが必要ですか?
A. 進行管理やコミュニケーションスキルに加えて、制作の理解 が不可欠です。
HTML/CSS/JavaScriptなどの基礎や、WordPressの構造を理解していると、現場で信頼される「指揮者」としてのディレクションが可能になります。
まとめ:キャリアを考えるなら海外基準も意識しよう
- 日本のWebデザイナーは「グラフィック寄り」、海外のWebデザイナーは「UI/UX寄り」
- 日本のWebディレクターは「進行役」、海外のディレクターは「指揮者」
日本と海外で役割の基準が異なることを理解しておくと、学習やキャリア形成における指針がより明確になります。
👉 だから CodeQuest では、この視点を大事にしています。
さらに詳しく学びたい方や、学習ロードマップの個別相談をご希望の方は、MENTAにてサポートを提供しています。
お気軽にご相談ください。
こちらも読むと理解が深まります:Webデザイナー?エンジニア?ディレクター?職種と作れるものを徹底解説