はじめに
「モバイルファースト」と聞くと、PCデザインをスマホ風にすることだと誤解している人をよく見かけます。
しかし本来の意味はまったく異なり、Googleの公式施策(モバイルファーストインデックス:MFI) と UX設計の思想 の両面に根ざした重要な考え方です。
この記事では「なぜモバイルファーストが必要なのか」「Googleはどのように評価しているのか」を整理しながら解説します。
モバイルファーストとは何か?
モバイルファーストとは、最小の環境=スマートフォンを基準に設計を始める考え方 です。
- 小さな画面で 本当に必要な要素だけ を取捨選択し、
- タップ操作や読みやすさといった モバイルUXを優先 して整える。
その上で、PCやタブレットなど大きな画面では「横幅を活かした複数カラム」「ホバー操作」「広い余白」といった 拡張的なUX を追加していきます。
ここで大切なのは、PCもスマホデザインに合わせるわけではない ということ。
「スマホを基盤にして、PCを別途デザインする」発想が正しい理解です。
Googleの公式施策:モバイルファーストインデックス(MFI)
モバイルファーストが特に注目された背景には、Googleが2018年から段階的に導入した モバイルファーストインデックス(MFI) があります。
- 以前:検索順位はPC版ページを基準に評価
- 現在:検索順位は モバイル版ページを基準 に評価
つまり、いくらPCページが見やすくても、モバイルで使いづらければ検索評価は下がってしまいます。
2020年以降は、ほぼすべてのサイトがMFI対象となり、モバイル対応はSEOの必須条件 となりました。
Googleが推奨するモバイルUXの要件
Googleは「モバイルユーザビリティ」を公式にチェックしており、以下のようなポイントを重視しています。
- タップしやすい要素サイズ:最低44px四方
- 読みやすい文字サイズ:16px以上が推奨
- 余白の確保:誤タップを防ぐための十分なスペース
- ページスピード最適化:LCP/CLS/FIDなどCore Web Vitals対応
- レスポンシブ対応:デバイスに応じて適切に表示されること
これらは単なるデザインの工夫ではなく、検索順位に直結する要素 です。
よくある誤解
モバイルファーストを理解する上で、次のような誤解がよく見られます。
- PCもスマホデザインにすること → ❌
- PCデザインを基準にしてスマホで削ること → ❌
- 共通デザインで済ませること → ❌
✅ 正しくは「スマホUXを基盤に整え、その上でPCを拡張する」ことです。
モバイルファーストとレスポンシブの違い
混同されやすいのが「モバイルファースト」と「レスポンシブデザイン」です。
- モバイルファースト:設計思想(どの順番で考えるか)
- レスポンシブデザイン:実装手法(CSSで幅ごとにレイアウトを変える)
例えば以下はモバイルファーストの典型的なCSSです。
/* 基本はスマホ */
body {
font-size: 16px;
padding: 1rem;
}
/* タブレット以上 */
@media (min-width: 768px) {
body {
font-size: 18px;
padding: 2rem;
}
}
/* PC以上 */
@media (min-width: 1200px) {
body {
font-size: 20px;
padding: 3rem;
}
}
最初にスマホ用を定義し、画面幅が広がるほど機能を追加していくのがモバイルファースト的な実装です。
まとめ
- GoogleのMFI施策 により、モバイル版ページが検索順位の基準となっている。
- UX思想 としても、制約の多いスマホから設計を始めるのが合理的。
- PCはスマホデザインのコピーではなく、拡張版として考えるのが正解。
つまり「モバイルファースト」とは、
SEOとUXの両面で“スマホを基盤に考える”ことが最重要である ということです。