はじめに
Web制作において、「ただ作るだけ」では差別化が難しい時代になっています。
クライアントの要望を正確に形にするだけでなく、課題を発見して解決できる提案力が求められています。
そんなときに武器になるのが、
ロジカルシンキング(論理的思考)とラテラルシンキング(水平思考)の両方をバランスよく使う力です。
この記事では、両者の違いと、特にラテラルシンキングだけに頼る危険性、
そしてWeb制作における正しい活かし方について詳しく解説します。
ロジカルシンキングとラテラルシンキングとは?
ロジカルシンキング(論理的思考)
ロジカルシンキングとは、
物事を筋道立てて、矛盾なく整理・分析して考える思考法です。
- 問題の本質を捉える
- 情報を分解して整理する
- 最も合理的な解決策を導く
Web制作でいうと、
サイト構成設計・ユーザー導線設計・課題発見などに必須のスキルです。
たとえば、
「なぜこのLPでコンバージョンが低いのか?」
「ユーザーはどこで離脱しているのか?」
といった課題をロジカルに分析することで、正しい打ち手を見つけることができます。
ラテラルシンキング(水平思考)
ラテラルシンキングとは、
常識や前提を疑い、自由な発想で新しい視点を得ようとする思考法です。
- 固定概念にとらわれない
- 新しい切り口を見つける
- 斬新なアイデアを生み出す
Web制作においては、
デザインコンセプト提案・UI/UX設計・差別化戦略などで威力を発揮します。
たとえば、
「飲食店のサイトをあえてアプリのようなUIで作ろう」
「商品紹介ページを漫画で表現しよう」
といった発想は、ラテラルシンキングがなければ生まれません。
2つの関係性|ロジカルが土台、ラテラルが建物
よく言われるのが、
ロジカルシンキングは地盤、ラテラルシンキングは建物という関係です。
まずロジカルに現状や課題を整理し、
その上にラテラルで自由なアイデアを積み重ねる。
この順番を守ることで、
「現実的かつ独創的な」Webサイト制作ができるようになります。
ラテラルシンキングを中心に考えると危険な理由(独りよがり)
ラテラルシンキングは強力な武器ですが、
単独で使うと大きな危険もはらんでいます。
現実離れしたアイデアに走る
自由な発想だけを追求すると、
実現不可能な案や、コスト面で非現実的な案ばかりが出てきます。
例:
「宇宙空間にサイトを投影しよう!」
「毎日デザインを変えるサイトにしよう!」
→ 面白いけれど、予算や工数を考えると現実的ではありません。
「ラテラルシンキング=万能ではない」
「ラテラルは道具。主役は”相手”と”目的”」
目的やゴールを見失う
「何のためにこの制作をしているのか?」という本来の目的を忘れ、
アイデアを出すこと自体が目的になってしまうことがあります。
例:
- 本当は「お問い合わせを増やす」ことがゴールなのに、
奇抜な演出ばかりにこだわってしまう。 - 目立つデザインを優先し、読みやすさや導線設計が犠牲になる。
チーム内で混乱・対立が起きる
各メンバーが自由なアイデアを持ち寄りすぎると、
チーム内で方向性の統一が取れず、制作が迷走します。
ロジカルな整理がなければ、
最終的な合意形成も難しくなり、プロジェクト全体の質が下がる危険性があります。
Web制作で「ロジカル→ラテラル」を活かすには?
では、どうすればロジカルとラテラルを効果的に活用できるのでしょうか。
正しい順番はこれです。
- ロジカルシンキングで課題を整理する
└ 誰に向けたサイトか?何を達成したいか?現状の問題は何か? - ラテラルシンキングでアイデアを広げる
└ 制約を一度取り払い、自由に発想する。 - ロジカルシンキングで実現可能なプランにまとめる
└ アイデアを現実性・コスト感・ゴール達成度から評価する。
これを繰り返すことで、
創造的かつ成果に直結するWeb制作が可能になります。
✅ 設計にはロジカルを、
✅ アイデア出しにはラテラルを、
✅ 最終判断にはまたロジカルを。
このリズムを覚えることが、プロフェッショナルへの第一歩です。
まとめ
ロジカルシンキングとラテラルシンキングは、
それぞれ単独では力を発揮しきれません。
特にラテラルシンキングは、
ロジカルという土台の上に乗せてこそ、はじめて現実的な成果を生み出します。
Web制作においても、
「作る力」だけではなく、
課題を見抜き、差別化し、成果につなげる力が求められています。
ぜひ、両方の思考法をバランスよく使いこなし、
他と一線を画すクリエイターを目指しましょう!
この「ロジカルシンキング+ラテラルシンキング」の考え方は、
Web制作に限らず、あらゆるビジネス分野で超有効です。
✅ どんな分野で役立つか?
1. 企画・マーケティング
- 市場やユーザーのニーズをロジカルに分析し、
- 誰も考えつかなかった商品やキャンペーンをラテラルで生み出す。
例)「ペット向けの保険」という全く新しい市場を開拓 など
2. マネジメント・リーダーシップ
- チーム運営で問題点をロジカルに整理し、
- チームビルディング方法をラテラルに工夫する。
例)「会議を廃止して、全員で散歩ミーティングをする」みたいな新手法を提案する など
3. セールス・営業
- 顧客の課題をロジカルにヒアリング分析し、
- 普通の提案ではないラテラルな提案で差をつける。
例)「広告費が少ないから広告を出す」のではなく、
「そもそも無料集客チャネルを作りましょう」と提案する など
4. コンサルティング
- クライアントの課題を論理的に掘り下げた上で、
- 想定外の角度からイノベーティブな解決策を提示する。
✅ まとめ:なぜどの分野でも有効なのか?
- ロジカルだけでは、正しいけれどありきたりになる
- ラテラルだけでは、面白いけど実行できない
- 両方を組み合わせると、「実現できる新しい道」を切り開ける
これが、
「現場で信頼される人」「選ばれる人」「成果を出す人」
に共通する思考スタイルだからです。
🎯
つまり今回の記事でまとめた考え方は、
「Web制作スキル」ではなく「一生モノのビジネススキル」になります。