Web開発を学び始めたばかりの方にとって、まず必要なのがローカル環境の構築です。 この記事では、PHPの学習やWordPressの動作確認に役立つ「MAMP」「XAMPP」というローカルサーバーの使い方を、初心者向けにわかりやすく解説します。
MAMPとXAMPPとは?
項目 | MAMP | XAMPP |
---|---|---|
対応OS | macOS / Windows | macOS / Windows / Linux |
使いやすさ | 初心者向けでシンプル | 多機能で中級者以上にもおすすめ |
MySQL操作 | あり(phpMyAdmin付き) | あり(phpMyAdmin付き) |
PHPバージョン選択 | Pro版で可能 | 複数バージョン対応(インストール時に選択) |
どちらも「Apache + MySQL + PHP」の環境をワンクリックで構築できる便利なツールです。
1. MAMPのインストール手順
1-1. MAMPのダウンロード
- 公式サイトへアクセス
- mac または Windows の「Free Download」ボタンをクリック
- ダウンロードしたインストーラーを起動
1-2. インストール手順(例:mac)
- ダウンロードした
.pkg
ファイルを開く - 「続ける」「同意する」などを選択しながら進める
- インストールが完了したら
アプリケーション > MAMP
フォルダに配置されます
1-3. 初期設定
- MAMPを起動し、コントロールパネルが表示される
- 「Preferences(環境設定)」 > 「Ports」で下記のように設定するのがおすすめ
Apache: 8888
Nginx: 7888
MySQL: 8889
- 「Web Server」タブでドキュメントルートを確認(例:
/Applications/MAMP/htdocs
)
1-4. ブラウザでの動作確認
htdocs
フォルダにindex.php
を作成(例:<?php phpinfo(); ?>
)- ブラウザで
http://localhost:8888/
にアクセス - PHP情報ページが表示されれば成功!
2. XAMPPのインストール手順
2-1. XAMPPのダウンロード
- 公式サイトへアクセス
- OSに応じて「Download」ボタンをクリック(macOS / Windows)
- インストーラーを起動
2-2. インストール手順(例:Windows)
.exe
ファイルを実行- セキュリティ警告が出たら「許可」
- Apache, MySQL などを選択して進める(基本はすべてオンでOK)
2-3. XAMPPの起動と確認
- XAMPP Control Panel を起動
- 「Apache」「MySQL」をそれぞれ「Start」ボタンで起動
- ブラウザで
http://localhost/
にアクセス → XAMPPの初期画面が表示されればOK!
2-4. ファイル配置と表示確認
htdocs
フォルダ内にPHPファイルを作成- 例:
htdocs/test/index.php
→ ブラウザでhttp://localhost/test/
にアクセス
3. よくあるトラブルと対処法
症状 | 対処法 |
Apacheが起動しない | Skypeや他アプリがポート80を使っている→アプリを終了またはポート変更 |
403 Forbidden が出る | ファイルやフォルダのパーミッションを確認(644, 755推奨) |
ブラウザで localhost が表示されない | Apacheが未起動/ファイル名ミスなどを確認 |
4. まとめ
MAMPもXAMPPも、数クリックで簡単にWebサーバー環境を構築できる強力なツールです。
- MAMP:macユーザーやシンプル操作が好きな人におすすめ
- XAMPP:Windowsユーザーや多機能を使いたい人に最適
PHP学習やWordPress開発の第一歩として、ぜひ使いこなしてみてください!
実務Tips(ベストプラクティス集)
環境選定の目安
- MAMP: macOS ユーザーに定番。インストール簡単・UIで設定管理しやすい。
- XAMPP: Windows ユーザーに人気。より細かいカスタマイズが可能。
- チーム開発やクラウド移行前提なら Docker も検討。
インストール時の注意
- インストール先はデフォルト推奨(権限トラブル防止)。
- 日本語やスペースを含むパスは避ける。
- Windows の場合は UAC 管理外のディレクトリ(例:
C:\xampp
)が安心。
PHP/Apache/MySQL の設定
- PHP バージョンは実務案件で使うものに揃える。
php.ini
は必ずバックアップを取ってから編集。- MySQL は root にパスワードを設定し、テスト用ユーザーを作成。
開発のベストプラクティス
- ドキュメントルートにプロジェクトごとのフォルダを分ける。
- エラー表示は
display_errors=On
、本番移行前に必ず Off。 logs
ディレクトリを見やすい場所にまとめておくとデバッグ効率が上がる。
運用・パフォーマンス
- XAMPP Control Panel/MAMP UI は常駐させず、必要な時だけ起動。
- 大規模開発や本番に近い動作確認には 仮想環境(Vagrant, Docker) を利用。
- MAMP PRO は複数バーチャルホストを GUI で簡単に設定可能。
よくある質問
Q. MAMP と XAMPP の違いは?
A. どちらも Apache・MySQL・PHP をまとめた開発環境です。macOS では MAMP、Windows では XAMPP が選ばれることが多いです。
Q. 本番環境でも MAMP/XAMPP を使えますか?
A. 推奨されません。あくまで ローカル開発用 です。本番は VPS やクラウド(ConoHa、AWS、GCP など)を使います。
Q. MySQL の root パスワードは変更すべき?
A. はい。デフォルトは空なので、最低限パスワード設定を行いましょう。
Q. PHP のバージョンを切り替える方法は?
A. MAMP PRO なら GUI で切り替え可能。XAMPP では複数バージョンを別フォルダにインストールして使い分けます。
Q. Docker との違いは?
A. MAMP/XAMPP は GUI で簡単にセットアップ可能ですが、Docker は本番環境に近い構成を再現できます。チーム開発なら Docker の方が適しています。
Q. Mac の場合、Homebrew での構築とどちらが良い?
A. 柔軟にカスタマイズしたいなら Homebrew、シンプルに学習を始めたいなら MAMP がおすすめです。