検索が効かない──そんな違和感を覚えたことはありませんか?
「検索1位なのにアクセスが増えない」
「新しく書いた記事なのに、誰にも読まれない」
「以前は検索流入があったのに、最近は数字が落ち込んでいる」
こんな声が、最近自分の周りでも増えてきました。
もちろんアルゴリズムの影響や競合の出現もあるかもしれません。
でも、それだけでは説明できない“根本的な違和感”が、確かにあります。
それは一言でいえば、「SEOが効かなくなってきている気がする」という感覚です。
順位は上がった。けれどクリックされない
例えば、とある技術系の記事。
狙ったキーワードで1ページ目、それも1位に表示されているのに、CTR(クリック率)は1%未満。
Google Search Consoleを見ても、「表示」はされているのに「クリック」はほとんどされていない。
おかしい。
昔なら1位を取れば、クリックが集まり、トラフィックが生まれ、読まれる──
そんな流れが自然に起きていたはずなのに。
いま、検索順位がそのまま流入につながるとは限らなくなってきました。
Googleの検索結果画面は、すでに「答え」で埋まっている
冷静にGoogleの検索結果ページ(SERP)を眺めてみると、すぐにその理由に気づきます。
- 検索キーワードに対する「直接的な答え」が、ページを開く前に表示されている
- 「他の人はこちらも検索」などの補足情報でスクロールが占拠される
- サイトリンク、画像、動画、そして広告
ユーザーの視線は、かつての「10個の青いリンク」よりも、
目立つビジュアルや即答コンテンツにどんどん吸い寄せられていく
Googleは「答えを探す場所」から「答えを提供する場所」へと進化している。
それが検索者にも影響を与え、「リンクをクリックする」という行動自体が減ってきているように思います。
検索行動そのものが変わってきている
今、ユーザーの検索行動には、明らかな変化があります。
従来:
キーワードを検索 → 複数の記事を読む → 情報を比較して判断
現在:
キーワードを検索 → 上に出てきた「答え」を見て終了
または → ChatGPTやGeminiなど、AIに直接聞いて済ませる
この流れの変化が、検索流入の数字にも表れてきているのではないでしょうか。
特に個人運営や小規模メディアにとって、
「読まれない」というのは、収益や継続意欲に直結する重大な問題です。
SEOは終わったのか?
ここで極端な結論を出すつもりはありません。
「SEOは終わった」と言い切るには早すぎるし、いまだに多くの人がSEOによって成果を出しているのも事実です。
けれど、「今までのSEOのやり方」が通用しなくなってきていることは否定できません。
- 順位が上がっても読まれない
- 読まれても滞在時間が伸びない
- キーワードを狙っても意図通りの評価にならない
今まで“通っていた戦略”が、目に見えないところで崩れ始めている──
そんな感覚が、少しずつ広がっている気がします。
今、私たちは「過渡期」にいる
検索という行為の形が変わりつつある今、私たちは“情報発信の過渡期”に立っています。
大げさではなく、これは「Webにおける第二の検索革命」かもしれません。
この先、検索エンジンがどのように進化していくのか。
そして、それに対応する「情報提供のあり方」はどう変わっていくのか。
まだ明確な答えはありません。
ただひとつ言えるのは──
検索順位に頼るだけの発信は、確実に先細っていくということです。
これからは「何が正解か」ではなく「気づけるかどうか」
SEOに限らず、Webの世界ではいつだって「早く気づいた人」が次のステージに進んできました。
目立っているノウハウに飛びつくのではなく、
“今、何が起きているのか”という本質的な変化に気づくこと。
検索が変わった。
それは事実です。
ならば、次は「どう変わるのか」に目を向けるタイミングです。
次回予告:検索は「読む」から「引用される」時代へ?
検索1位になっても意味がない?
答えを出すのは、もう検索エンジンではない?
そんな“今起きている変化”の本質について、次回はもう少し踏み込んで考えてみます。
📅 次回公開予定:2025年8月18日