デジタルパンフレットの使い道|チラシや会社案内の反応をGA4で測る


デジタルパンフレットの一番の使い道は、紙では分からなかった「どのページが読まれ、どのリンクが押されたか」を自社のGA4で測ることです。DTPで作ったパンフレットやチラシ、会社案内のPDFをページめくりのWebページにすると、配ったあとの反応が数字で残るようになります。

紙のパンフレットやチラシは、何部配ったかは分かっても、どこまで読まれたのか、どの商品に興味を持たれたのかは分かりません。次の改訂で何を変えればいいのかも、担当者の感覚で決めることになりがちです。

この記事では、紙ものをデジタルパンフレットにしたときの使い道を、製品カタログ・チラシ・会社案内・学校案内・取扱説明書などの用途別に紹介します。用途ごとに「何を測れて、測った結果で何を直すか」まで書いています。作り方の例には、CodeQuest.workの運営者(ORECTIC・今井政和)が自社で作ったツール「WEBカタログ作成」を使います。自社の製品の紹介であることをあらかじめお伝えしたうえで、できることをそのまま書いています。製品の内容は2026年10月29日時点のものです。


紙のパンフレットやチラシでは、配ったあとの反応が分からない

紙の販促物で分かるのは、刷った部数と配った部数までです。読んだ人がどのページで手を止めたのか、どの商品を気にしたのかは、問い合わせや来店の数から推し量るしかありません。

知りたいこと紙のパンフレット・チラシデジタルパンフレット
どのページが読まれたか分からない見たページがGA4に記録される
どの商品・項目に興味を持たれたか問い合わせの内容から推し量る押されたリンクがGA4に記録される
そこから申し込みまで進んだかアンケートや口頭で聞くリンク先のサイトのGA4で流れを追える
内容を直すとき刷り直して配り直すページを差し替えて置き換える

紙には、手に取ってもらえる・店頭や郵送で届けられるという強みがあります。紙をやめるのではなく、同じデータからデジタル版も用意して、反応を測る役目をデジタル版に持たせるのが現実的な使い方です。


デジタルパンフレットにするとGA4でわかる2つのこと

WEBカタログ作成で作ったデジタルパンフレットは、「見たページ」と「押されたリンク」の2つを、自社のGA4・GTMにイベントとして送ります。設定でGA4の測定ID(G-から始まるID)かGTMのコンテナIDを入れるだけで、作成元の計測タグは入りません。

イベント名いつ届くか分かること
catalog_page_viewページを開いた・めくったときどのページ(見開き)が何回見られたか
catalog_link_clickページの上のリンクが押されたときどのページの、どのリンク(商品・項目)が何回押されたか

リンクは、ページの上をドラッグして範囲を描き、行き先を入れて作ります。1ページにいくつでも付けられるので、見開きに商品が10個並んでいれば、10個それぞれに別の行き先を付けられます。リンクごとに付けた「説明」(商品名など)が、GA4ではどのリンクが押されたかを見分ける名前になります。

GA4の「イベント」の仕組みそのものは、Google アナリティクス ヘルプのイベントについてで確かめられます。実際にリンクを押すと何が届くかは、デモのカタログで試せます。


用途別:デジタルパンフレットの使い道

DTPで作った紙ものは、PDFか画像に書き出せれば、どれもデジタルパンフレットにできます。用途ごとに、付けるリンクとGA4で分かることを一覧にしました。

用途主なリンク先GA4でわかること
製品カタログ・価格表商品ページ・カートどの商品が押されたか
チラシ・セールのお知らせセールの商品ページ・予約どの目玉商品に反応があったか
会社案内・採用パンフレット応募フォーム・採用ページどのページが読まれ、応募へ進んだか
学校案内・入学案内資料請求・オープンキャンパス予約どの学科のページが読まれたか
取扱説明書・マニュアル操作の動画・サポートページどのページがよく開かれるか
営業資料・展示会資料商談予約・見積もりどこまで読まれ、商談予約へ進んだか
メニュー表・広報誌・作品集予約・詳しいページどの料理・記事・作品に反応があったか

製品カタログ・価格表

製品カタログは、デジタルパンフレットの効果が一番分かりやすい用途です。見開きに並んだ商品ひとつひとつに商品ページやカートへのリンクを付ければ、カタログの中でどの商品が押されたかがそのまま分かります。

  • 付けるリンク:商品ページ、カート、見積もり・問い合わせフォーム
  • GA4でわかること:押された回数の多い商品と少ない商品、よく見られるページ
  • わかったあとに直すこと:反応の少ない商品の載せ方(写真・位置・説明)を見直す。押される商品を表紙や前のページへ移す

チラシ・セールのお知らせ

複数ページのチラシやセールのお知らせは、目玉商品のどれに反応があったかを測る使い方ができます。リンクには自動でUTMが付くので、チラシから自社サイトへ来た訪問を、ほかの訪問と分けて見られます。

  • 付けるリンク:セールの商品ページ、予約・来店予約のページ
  • GA4でわかること:目玉商品ごとの反応、チラシ経由でサイトに来た人数(サイト側で購入を計測していれば、その後の購入も)
  • わかったあとに直すこと:次回のセールで載せる商品と順番を、反応の多かった商品に寄せる

会社案内・採用パンフレット

会社案内や採用パンフレットは、どのページがよく読まれているかを知る使い方に向いています。事業紹介・社員紹介・待遇のどこが読まれているかで、相手が何を気にしているかが見えてきます。

  • 付けるリンク:応募フォーム、採用ページ、事業ごとの詳しいページ
  • GA4でわかること:よく読まれるページ、応募フォームへのリンクが押された回数
  • わかったあとに直すこと:読まれているページの情報を厚くする。応募へのリンクを読まれているページの近くに置く

学校案内・入学案内

学校案内は、学科やコースごとの関心の差を測る使い方ができます。オープンキャンパスの予約や資料請求へのリンクを学科のページごとに付けると、どの学科から申し込みが生まれたかが分かります。

  • 付けるリンク:資料請求、オープンキャンパスの予約、学科ごとのページ
  • GA4でわかること:学科ごとのページの見られ方、学科ごとの予約リンクの押された回数
  • わかったあとに直すこと:関心の高い学科のページを前に出す。説明会の案内を見直す

取扱説明書・マニュアル

取扱説明書をデジタル版にすると、どのページがよく開かれているかが分かります。よく開かれるページは、使っている人がつまずきやすいところの手がかりになります。

  • 付けるリンク:操作の動画、サポートページ、部品の注文ページ
  • GA4でわかること:よく開かれるページ、動画やサポートへのリンクが押された回数
  • わかったあとに直すこと:よく開かれるページの説明を分かりやすく書き直す。製品や画面の改善の材料にする

営業資料・展示会資料

営業資料や展示会で配る資料は、URLを送るだけで読んでもらえる形にして、資料全体のどこが読まれているかを測ります。見積もりや商談予約へのリンクを置けば、資料から次の行動につながったかも分かります。

  • 付けるリンク:商談予約、見積もりフォーム、導入事例のページ
  • GA4でわかること:最後まで読まれているか(後ろのページまで見られているか)、商談予約へのリンクが押された回数
  • わかったあとに直すこと:読まれなくなるページを削る・前へ詰める。事例の見せ方を変える

メニュー表・広報誌・作品集

飲食店のメニュー表、自治体や会社の広報誌、デザイナーの作品集にも同じ使い方ができます。どの料理・記事・作品に反応があったかが、そのまま次の号や次の作品選びの材料になります。

  • 付けるリンク:予約のページ・電話、記事の詳しいページ、作品ごとの紹介ページ
  • GA4でわかること:よく見られる料理・記事・作品、予約や問い合わせへのリンクが押された回数
  • わかったあとに直すこと:反応の多い料理や記事の扱いを大きくする。作品集の並び順を変える

GA4のどこで結果を見るか

届いているかの確認はリアルタイム レポートで、どのリンクが何回押されたかの集計は探索で見ます。

  1. 公開したデジタルパンフレットを開いてリンクを1つ押し、GA4の[レポート]→[リアルタイム]に catalog_page_view と catalog_link_click が出るかを見る
  2. [管理]→[データの表示]→[カスタム定義]で、イベント パラメータの link_label(リンクの説明)と page_number(ページ番号)をカスタム ディメンションとして登録する
  3. [探索]の自由形式で、イベント名・link_label・page_number とイベント数を並べ、押された回数の多い順に並べ替える

リアルタイムのデータは通常数分で反映されます(Google アナリティクス ヘルプ「リアルタイム レポート」)。パラメータをレポートで使うにはカスタム ディメンションへの登録が必要で、登録した日より前のデータには反映されません(カスタム ディメンションとカスタム指標について)。公開したらすぐに登録しておくのがおすすめです。

GTMを使う場合のタグの作り方や、DebugViewでの確かめ方は、PDFカタログを電子カタログにする方法の記事で手順を追って解説しています。


測ったあとに直す:差し替えて改善を回す

デジタルパンフレットは、測った結果を見てページを差し替え、同じURLのまま置き換えられます。紙のように刷り直しを待たずに、反応を見ながら少しずつ直していけるのがデジタル版の強みです。

  1. 公開して2〜4週間ほど、見たページと押されたリンクを集める
  2. 押されたリンクの少ない商品やページを探す
  3. DTPのデータで、そのページの写真や見出し、商品の並びを直す
  4. WEBカタログ作成で作業ファイルを開き、直したページを差し替えてエクスポートし直す
  5. サーバーのファイルを置き換え、また反応を集める

WEBカタログ作成は買い切りで、同じカタログなら何度エクスポートし直しても追加の料金はかかりません。月額の請求もないので、差し替えの回数を気にせず改善を続けられます。


自社のサーバーに置くメリット

WEBカタログ作成でエクスポートしたデジタルパンフレットは、自社のホームページのサーバーに置いて公開します。外部のサービスの上で公開する形と比べて、次のような違いがあります。

  • 自社のドメインのURLで公開できる
  • 公開したページに、作成ツールや作った会社の名前は出ない
  • 読み込んだPDFや画像はパソコンのブラウザの中だけで処理され、外部のサーバーには送られない(発売前の製品資料でも預けずに済む)
  • 計測のデータは自社のGA4にだけ届く

サーバーは、HTMLファイルを置ければ動きます。レンタルサーバーでも構いません。サーバーへの置き方が分からない場合のために、アップロードを代わりに行う有料のオプション(1回10,000円・税抜き)も用意しています。


デジタル化に向かない紙もの

めくる意味がない1枚ものや、紙で手渡すこと自体が目的のものは、無理にデジタルパンフレットにしなくて構いません。

紙ものおすすめの形
1枚もののチラシ・ポスターページめくりは要らないので、画像にリンクの範囲を付けるだけで足りる
店頭や郵送で手に取ってもらう前提のもの紙はそのまま配り、QRコードでデジタル版へ案内して反応を測る
値段や在庫が毎日変わるものECサイトの商品ページで扱い、パンフレットからはそこへリンクする

チラシ1枚に商品ごとのリンクを付けたいだけなら、クリッカブルエリアジェネレーターで、画像マップのHTMLを無料で作れます。


作る手順は4ステップ

どの用途でも、作る手順は同じです。DTPのデータからPDFを書き出せば、そこから先はブラウザの中で作れます。

  1. InDesignやIllustratorなどで、印刷用のPDF(またはページごとの画像)を書き出す
  2. WEBカタログ作成にGoogleアカウントでログインし、PDFを読み込む
  3. ページの上に範囲を描いてリンクを付け、設定にGA4の測定IDかGTMのコンテナIDを入れる
  4. エクスポートしたZIPの中の catalog フォルダを、自社のサーバーに置く

リンクの形(四角・円)の使い分けやUTMの付き方など、詳しい手順はPDFカタログを電子カタログにする方法にまとめています。自社で作らずに制作会社へ頼みたい場合の費用の目安は、WEBカタログ制作の費用相場の記事を参考にしてください。


よくある質問

Q. デジタルパンフレットと電子カタログは違うものですか?

指しているものはほぼ同じです。紙のパンフレットやカタログを、ブラウザでページをめくって読めるようにしたものを、デジタルパンフレット・電子カタログ・WEBカタログなどと呼んでいます。

Q. GA4を使っていなくてもデジタルパンフレットにできますか?

できます。測定IDやコンテナIDを入れなければ計測はせず、ページをめくって読めるパンフレットとして普通に動きます。あとからIDを入れてエクスポートし直せば、その時点から計測を始められます。

Q. スマホでも読めますか?

読めます。スマホでは1ページずつ表示して、横にスワイプしてめくれます。2本指で拡大もできます。

Q. 紙のチラシやパンフレットからデジタル版へ案内するには?

デジタルパンフレットのURLをQRコードにして紙に刷るのが手軽です。紙を配る場面はそのままに、詳しく見たい人をデジタル版へ案内できるので、紙からどれくらいの人が来たかも測れます。

Q. 自社のサーバーがない場合はどうすればいいですか?

HTMLファイルを置けるサーバーが必要です。ホームページで使っているサーバーやレンタルサーバーで動きます。置き方が分からない場合は、アップロードの代行(有料・1回10,000円・税抜き)も使えます。

Q. 内容を直すたびに料金はかかりますか?

WEBカタログ作成では、同じカタログなら何度差し替えてエクスポートし直しても追加の料金はかかりません。料金は買い切りで、編集とプレビューまでは無料で使えます。


まとめ

デジタルパンフレットの一番の使い道は、紙では分からなかった「どのページが読まれ、どのリンクが押されたか」を自社のGA4で測り、その結果で中身を直していくことです。

  • DTPで作った紙ものは、PDFを書き出せばどれもデジタルパンフレットにできる
  • 製品カタログなら商品、会社案内なら読まれるページ、学校案内なら学科ごとの関心が分かる
  • 結果は、GA4のリアルタイム レポートと探索で確かめられる
  • 測ったあとはページを差し替えて、同じURLのまま改善を続けられる
  • 1枚もののチラシなど、めくる意味のないものは画像マップで足りる

まずは手元のパンフレットやチラシのPDFを1冊読み込み、無料のプレビューで仕上がりを確かめてみてください。


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