WEBカタログ制作の費用相場|デジタルカタログの作り方と依頼先の選び方


WEBカタログとは、紙のカタログをブラウザ上でページをめくるように閲覧できるようにしたコンテンツです。電子カタログ、デジタルカタログ、デジタルブック、デジタルパンフレットも、指しているものは同じです。専用アプリを入れなくても、パソコンからもスマートフォンからもURLひとつで開けます。

ところが「WEBカタログを作りたい」と調べ始めると、いきなり見積もりの桁が合いません。数千円で作れると書いてある会社もあれば、十数ページで七十万円を提示する会社もあります。どちらも嘘ではなく、そもそも売っているものが違うのですが、その違いを説明しているページがほとんどありません。

この記事では、まず呼び方と紙カタログとの違いを整理し、そのうえで費用の相場を「PDFをWEBカタログ化する型」と「カタログそのものを作る型」に分けて示します。あわせて、当サイトの運営元が実際に提供しているWEBカタログ制作の料金表と、依頼先を選ぶときに確認しておきたい点までをまとめました。相場の数値は各社が公開している料金ページを2026年9月8日に確認したものです。


WEBカタログとは — 電子カタログ・デジタルブックとの違い

先に結論を書くと、WEBカタログ・電子カタログ・デジタルカタログ・デジタルブック・デジタルパンフレットは、すべて同じものを指す言い換えです。機能や仕組みが違うわけではなく、業界や会社によって呼び名が分かれているだけです。カタログ制作を専門とするカタログjpも、Webカタログを「Web上で紙のカタログを見ることができるようにしたコンテンツ」と定義したうえで、デジタルカタログ・電子カタログと同義であると説明しています。

呼び方によってニュアンスが少しずつ違うので、社内で話が噛み合わないときは下の表で読み替えてください。

呼び方よく使われる場面指しているもの
WEBカタログ製造業・商社の製品カタログ同じ
電子カタログ官公庁・大手企業の資料同じ
デジタルカタログ制作会社の商品名として最多同じ
デジタルブック社内報・広報誌・書籍系同じ
デジタルパンフレット学校案内・観光・不動産同じ

ひとつだけ区別しておきたいのが、「PDFをそのままサイトに置くこと」はWEBカタログではないという点です。PDFを直接開かせる方式は、スマートフォンでは表示までに時間がかかり、拡大縮小の操作も端末のビューアまかせになります。ページをめくる操作感や目次からの移動を用意して、閲覧そのものを設計したものがWEBカタログです。


紙カタログとWEBカタログの違い

WEBカタログは紙カタログの置き換えとして語られがちですが、実務ではどちらか一方を選ぶより、紙を刷る部数を絞ってWEBカタログを併用する形に落ち着くことが多くなります。両者の性質は次のように違います。

観点紙カタログWEBカタログ
部数を増やすコスト部数に比例して増える何人が見ても変わらない
在庫・保管置き場所と管理の手間が要る不要
誤記の修正刷り直しか正誤表の同封差し替えれば全員に反映される
渡し方手渡し・郵送URL・QRコード・メール
どこを見られたか把握できないアクセス解析で分かる
手元に残る強さ置いてもらえれば強いブックマークされないと戻ってこない
初期費用印刷費がまとまってかかる制作費のみ

効果が出やすいのは、改訂が多い商品カタログと、送付先が読めない資料です。価格や仕様が変わるたびに刷り直していたものはWEBカタログ化で修正コストがほぼ消えますし、展示会やWebフォームから請求される資料は、郵送を待たせずにその場でURLを渡せます。

逆に、紙をやめない方がよい場面もあります。商談の場でその場に広げて指し示す使い方や、店頭で持ち帰ってもらう導線は、紙の方が確実です。WEBカタログの判断は「紙をやめるかどうか」ではなく「刷る部数を何部まで減らせるか」で考えると失敗しにくくなります。


WEBカタログでできること

WEBカタログの機能はサービスによって差があります。ここでは当サイトの運営元が提供しているビューアを例に、標準で使えるものとオプションになるものを分けて示します。見積もりを比較するときは、「どこまでが標準で、どこからが追加費用か」を機能単位で確認してください。

機能内容扱い
ページめくりページの角をドラッグして紙のようにめくる標準
ズーム細かい仕様表や注記を拡大して読む標準
サムネイル一覧全ページを一覧表示して目的のページへ飛ぶ標準
付箋気になったページに付箋を貼って後から一覧で戻る標準
メモ閲覧しながら書き込み、次に開いたときも残る標準
スマートフォン対応縦向き・横向きの両方でレイアウトが切り替わる標準
アクセス解析どのページがどれだけ見られたかを計測する標準
クリッカブルエリア誌面の商品や広告から自社サイトへリンクさせるオプション
デザインの変更ビューアの配色や操作パネルを自社仕様にするオプション
全文検索・PDFダウンロード
動画埋め込み・パスワード保護
誌面内の文字検索、PDFの配布、動画再生、閲覧制限標準では非対応(個別見積もり)

付箋とメモは他社にあまり見かけない機能です。ページ数の多い製品カタログを取引先に渡す場合、先方の担当者が検討中のページに印を付けておけるため、社内での回覧に強くなります。

誌面から自社サイトへリンクさせる(クリッカブルエリア)

WEBカタログで問い合わせや購入につなげたい場合、効くのは誌面の商品写真や型番から、そのまま商品ページへ飛べるようにすることです。紙のカタログにはできない動きで、多くの制作会社が「リンク設定」としてオプションに置いています。

実装上の注意は、リンク領域の座標を画像に対する比率で持たせることです。ピクセル固定で作ると、スマートフォンで誌面が縮んだときにリンク位置がずれます。当サイトでは、画像の上に矩形・円形の領域を描いてレスポンシブ対応のコードを書き出すクリッカブルエリア ジェネレーターを無料で公開しているので、仕組みを先に確かめておきたい場合はこちらで試せます。


実際のWEBカタログを触ってみる

説明を読むより、一度めくってみた方が早い種類のものです。実際に公開しているWEBカタログを用意しているので、ページの角をドラッグする操作感、サムネイルからの移動、付箋とメモの動きを確かめてみてください。スマートフォンからでも開けます。

なお、ページをめくる動きそのものを自分で実装したい場合は、仕組みと実装手順を本のようなページめくりUIを実装する方法で解説しています。制作を依頼するか自作するかを迷っている段階なら、先にそちらを読んでから判断しても構いません。


WEBカタログ制作の費用相場

冒頭で触れた「見積もりの桁が合わない」問題の正体はここにあります。WEBカタログ制作には性質のまったく違う二つの型があり、相場も一桁違います。自社がどちらを必要としているかを先に決めないと、比較そのものが成り立ちません。

PDF変換型カタログ制作型
頼むものすでにある誌面のWEBカタログ化企画・原稿・撮影・デザインから作る
用意するもの完成したPDF掲載したい商品と伝えたいこと
費用感数千円〜十数万円数十万円〜数百万円
向いている状況紙のカタログが手元にあるカタログ自体をこれから作る

PDF変換型の相場

電子ブック作成サービスを提供するebook5は、制作代行の費用に関する解説のなかで、ページ単価の相場を500円〜2,000円、初期費用を20,000円程度と説明しています。実際に各社が公開している料金は次のとおりです。

サービス基本費用ページ単価16ページの目安
ウェブdeカタログなし20ページまで一律5,500円(税込)、21ページ以降110円(税込)5,500円(税込)
デジタルベリー10,000円1,500円〜650円(ページ数に応じて逓減)34,000円
業界の相場(ebook5の説明)20,000円程度500円〜2,000円28,000円〜52,000円

幅が出る理由は、単価に何が含まれているかが会社ごとに違うためです。目次の設定、リンクの設置、スマートフォン向けの調整が標準に入っているかどうかで、最終的な支払額は変わります。ページ単価だけを並べても比較にならないので、オプションを足した総額で見てください。

オプションで加算されやすい項目

基本費用とページ単価だけを見て発注すると、あとから加算される項目があります。各社がオプションとして用意しているのは、おおむね次のようなものです。自社に必要なものを先に決めてから見積もりを依頼すると、比較が一度で済みます。

  • リンク設定 — 誌面の商品や広告から自社サイトへ飛ばす
  • ツリー式の目次 — 章立ての深いカタログを階層で辿れるようにする
  • 全文検索 — 誌面内の文字を検索して該当ページへ飛ぶ
  • 外国語版 — 操作パネルの表記を英語などに切り替える
  • 動画・音声の挿入 — 誌面に動画を埋め込んで再生させる
  • SNS共有 — 閲覧中のページを共有できるようにする
  • Webページへの埋め込み — 自社サイトのページ内に組み込んで表示する
  • パスワード保護 — 取引先限定の資料として閲覧を制限する
  • アクセス解析レポート — どのページが読まれたかを定期的に報告する

このうちパスワード保護は、取引先向けの価格表や仕様書をWEBカタログ化する場合に必須になります。検索エンジンに拾われて価格が公になると困る資料は、URLを知られたら誰でも読める状態にしないでください。

カタログ制作型の相場

掲載する商品は決まっているが誌面がまだない、という段階なら、企画から請け負う会社に頼むことになります。カタログパートナーが公開している参考価格では、4ページで176,000円(税込)から、16ページで710,000円(税込)から、100ページで4,190,000円(税込)からとされています。納期も4ページで2週間、100ページで3か月と、PDF変換型とはまったく別のスケジュールです。

この価格差は、コピーライティングや写真撮影といった誌面を作る工程そのものの費用です。すでに印刷用のPDFがあるのなら、この工程は不要なので、PDF変換型で見積もりを取ってください。


WEBカタログ制作の料金

ここからは、当サイトの運営元であるRINIAのWEBカタログ制作(PDF変換型)の料金です。制作費は「基本設定費用」と「ページ変換費用」の合計で決まります。金額はすべて税別です。

基本設定費用

ビューアの設置と初期設定にかかる費用で、1冊あたり10,000円です。2冊目以降も同額です。

ページ変換費用

ページ数が増えるほど1ページあたりの単価が下がります。テキスト目次の設定費用もこの価格に含まれます(100ページ未満は10項目まで、100ページ以上は20項目まで)。

ページ数ページ単価(税別)
1〜16ページ1,500円
17〜24ページ1,400円
25〜32ページ1,300円
33〜48ページ1,200円
49〜64ページ1,100円
65〜80ページ1,000円
81〜100ページ900円
101〜150ページ800円
151〜200ページ750円
201〜250ページ700円
251〜300ページ650円
301ページ以上お問い合わせください

計算例

16ページのカタログをWEBカタログ化する場合の計算は次のようになります。

内訳計算金額(税別)
基本設定費用10,000円
ページ変換費用1,500円 × 16ページ24,000円
合計34,000円

48ページなら10,000円+1,200円×48ページで67,600円、100ページなら10,000円+900円×100ページで100,000円が目安です。オプション(クリッカブルエリアの設置、ビューアのデザイン変更、外国語版の作成など)をご希望の場合は、内容に応じて別途お見積もりします。


公開後の運用方法は2通りから選ぶ

WEBカタログは作って終わりではなく、公開し続けるためのサーバーが必要です。見落とされやすい部分なので、見積もりを取るときは「公開場所は誰が用意するのか」を必ず確認してください。RINIAでは次の2つから選べます。

ホスティングプランファイル納品プラン
費用(税別)制作費+月額3,300円制作費+22,000円
公開場所RINIA側のサーバーお客様のサーバー
含まれるものサーバー、ドメイン、月1回までの軽微な差し替え、アクセスレポート一式のファイル納品と設置手順の案内
向いている場合社内にサーバーを管理する担当がいない自社サイト内で公開したい

自社サイトのドメイン配下で公開したい場合はファイル納品プランを選んでください。自社ドメインに置いた方が、検索エンジンからの評価も自社サイトに積み上がります。サーバーの管理者が社内にいない場合は、ホスティングプランの方が結果的に手間がかかりません。


納品後の修正費用

価格や仕様の変更でページを差し替える場合の費用です。修正基本費用に、差し替えるページ数分の単価を加算します。対応期間は納品後1年間です。

種別修正基本費用(税別)単価(税別)
ページの修正・追加10,000円2,000円/ページ
オプションの修正5,000円各オプションの単価による

たとえば2ページ分を差し替える場合は、10,000円+2,000円×2ページで14,000円です。100ページを超えるカタログや、構成そのものを変える修正は別途お見積もりになります。差し替えの頻度が年に何度もある場合は、月1回までの差し替えを含むホスティングプランの方が総額を抑えられます。


制作の流れ

PDFをお預かりしてから公開までの手順です。お客様側の作業は、PDFの用意と確認の2つだけです。

  1. お問い合わせ — ページ数、希望するオプション、公開方法をお知らせください
  2. お見積もり — 上の料金表にもとづいて総額を提示します
  3. PDFの入稿 — 印刷用のPDFをそのままお送りください。ページ順と天地が合っていれば加工は不要です
  4. 変換・設定 — ページ画像への変換、目次の設定、オプションの実装を行います
  5. 確認 — 公開前のURLをお渡しします。実機で開いて誤りがないかご確認ください
  6. 公開 — ホスティングプランはURLの発行、ファイル納品プランは一式をお渡しします

納期はページ数と入稿データの状態によって変わるため、お見積もりの際に具体的な日程をお伝えします。入稿されるPDFがページ順に並んでいて、ページの向きが揃っていると、変換工程が最も短くなります。


依頼先を選ぶときの確認事項

WEBカタログは金額だけで比べると後から差額が出やすい種類の発注です。相見積もりを取るときは、次の点を各社に同じ質問として投げてください。

  • 公開場所は誰が用意するのか — 月額が別に発生するのか、自社サーバーに置けるのか
  • 提示額に目次の設定は含まれるか — 別料金になっている会社がある
  • リンクの設置は何箇所まで標準か — 箇所数で加算される場合がある
  • 納品後の差し替えはいくらか — 改訂のたびに発生するので総額への影響が大きい
  • 契約が終わったらカタログはどうなるか — 月額型は解約時に公開が止まることがある
  • スマートフォンでの表示を実機で見せてもらえるか — 誌面が縮んだときの読みやすさは実物でしか判断できない

特に最後の2つは見落とされがちです。月額型のサービスは解約するとカタログが見られなくなるものがあり、名刺やパンフレットに刷ったQRコードが死にます。長く公開し続ける前提なら、契約終了後にファイルが手元に残るかどうかを最初に確認しておいてください。

あわせて、納品されたファイルを自社で自由に使えるのかどうかも取り決めておくと安全です。誌面のデータは自社のものでも、ビューア側のプログラムは制作会社に権利が残るのが通常です。この線引きについては制作物の著作権は誰のものかで詳しく整理しています。


よくある質問

Q. WEBカタログと電子カタログ・デジタルブックは違うものですか?

同じものを指す言い換えです。WEBカタログ、電子カタログ、デジタルカタログ、デジタルブック、デジタルパンフレットのいずれも、紙のカタログをブラウザ上でページをめくるように閲覧できるようにしたコンテンツを指します。業界や会社によって呼び名が違うだけで、仕組みに違いはありません。

Q. 紙のカタログのPDFがあれば作れますか?

作れます。印刷用に入稿したPDFをそのままお送りいただければ、こちらでページ画像への変換と設定を行います。ページ順に並んでいて天地が揃っていれば、お客様側での加工は不要です。PDFが手元になく誌面から作る場合は、企画・原稿・撮影を含むカタログ制作型の見積もりになり、費用が一桁変わります。

Q. スマートフォンでも見られますか?

見られます。画面幅に応じてレイアウトが切り替わり、縦向きと横向きの両方に対応しています。動きを抑える設定や高コントラスト表示を有効にしている端末では、それぞれの設定に合わせた表示になります。実際の見え方はサンプルをスマートフォンで開いて確認してください。

Q. 誌面の商品から自社サイトへリンクを貼れますか?

オプションで対応します。誌面の商品写真や型番の位置に領域を設定し、タップすると自社の商品ページやお問い合わせフォームへ移動するようにできます。領域は画像に対する比率で持たせるため、スマートフォンで誌面が縮んでもリンク位置はずれません。箇所数に応じてお見積もりします。

Q. 全文検索やPDFのダウンロードには対応していますか?

標準では対応していません。必要な場合は個別にお見積もりします。なお、PDFのダウンロードを許可するかどうかは、カタログの使い方によって判断が分かれます。取引先に配布する仕様書なら許可した方が親切ですが、一般公開する商品カタログでは競合に一括で持ち出されるため、意図的に外すことも多い機能です。

Q. 公開後にページを差し替えることはできますか?

できます。ホスティングプランでは月1回までの軽微な差し替えが月額に含まれます。ファイル納品プランや、それを超える修正は、修正基本費用10,000円+1ページあたり2,000円(いずれも税別)です。URLは変わらないため、名刺やパンフレットに刷ったQRコードはそのまま使い続けられます。

Q. 自社のサーバーで公開することはできますか?

できます。ファイル納品プラン(制作費+22,000円・税別)をお選びください。一式のファイルと設置手順をお渡しするので、自社サイトのドメイン配下に置けます。自社ドメインで公開すると検索エンジンからの評価も自社サイトに積み上がるため、サーバーを管理できる体制があるならこちらをおすすめします。

Q. 何ページから依頼できますか?

ページ数の下限はありません。数ページのリーフレットでも承ります。ただし基本設定費用10,000円が1冊ごとにかかるため、ページ数が少ないほど1ページあたりの単価は割高になります。複数の冊子をまとめて依頼される場合は、内容に応じてご相談ください。


まとめ

  • WEBカタログ・電子カタログ・デジタルブックは同じものを指す言い換えで、仕組みに違いはない
  • 費用が一桁違って見えるのは、PDF変換型とカタログ制作型という別の商品が並んでいるため
  • 印刷用のPDFがすでにあるなら、PDF変換型で見積もりを取れば足りる
  • 比較するときはページ単価ではなく、目次・リンク・公開場所・差し替えを足した総額で見る
  • 解約後にカタログが残るかどうかを、契約前に確認しておく

手元にPDFがあれば、ページ数をお知らせいただくだけで総額を出せます。オプションの要否や公開方法が決まっていない段階でも構いません。


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