制作物の著作権は誰のものか|納品後にもめないための取り決め


制作物の著作権は、契約で別段の定めをしない限り、実際にそれを作った側に発生します。発注して費用を払っただけでは移りません。著作権法は著作者を「著作物を創作する者」と定め(第 2 条第 1 項第 2 号)、その権利の享有には「いかなる方式の履行をも要しない」としています(第 17 条第 2 項)。つまり権利は、契約書に何か書いてはじめて動きます。

ここで多いのが、「著作権は甲に帰属する」の一文で安心してしまうケースです。この書き方では、作り替える権利(第 27 条)と、作り替えたものを使う権利(第 28 条)が移らないと推定されます。納品から半年後、別の会社にリニューアルを頼もうとした段階で問題が表面化する——という順番でもめます。

この記事では、発注する側と受ける側の双方から、権利がどこにあり、契約書に何を書けば動くのかを整理します。根拠は著作権法の条文、文化庁「令和 8 年度著作権テキスト」、公正取引委員会ほかが 2026 年 6 月 24 日に公表した知的財産権の取引指針です。条文・金額はすべて 2026 年 9 月 4 日に一次資料から取得しました。素材そのものの許諾範囲は 商用利用できる素材の選び方 で別に扱っています。


契約がなければ、著作権は作った側にある

著作権は登録も表示も必要とせず、創作した瞬間に創作した人に発生します。これを無方式主義といいます。発注書を出しても、見積書を承認しても、それだけでは権利は動きません。公正取引委員会・中小企業庁・特許庁が 2026 年 6 月 24 日に公表した「知的財産権・ノウハウ・データの適切な取引のための優越的地位の濫用等に関する指針」も、「受注者が創作した著作物の著作権は著作権法に基づきその帰属先が定まる」と明記しています。

「お金を払ったのだから発注者のもの」が成り立たない理由

制作費の支払いは、契約に書かれた範囲の対価です。何の対価なのかを契約書が決めていなければ、それは「作って納めてもらうこと」の対価であって、「権利を買い取ること」の対価にはなりません。ここを取り違えると、発注者は自分のものだと思い、制作者は貸しているつもりでいる、という食い違いが生まれます。

実務では、権利の動かし方は 2 通りしかありません。譲渡(権利者そのものを変える)か、利用許諾(作った側に権利を残したまま、使ってよい範囲を決める)です。どちらでも運用できますが、どちらなのかを書いていない契約書がいちばん危険です。

譲渡利用許諾(ライセンス)
権利者発注者に移る制作者のまま
発注者ができること契約で移した範囲すべて許諾された範囲だけ
制作者ができること移した範囲は使えなくなる他案件への転用も原則できる
価格高くなりやすい抑えやすい
向く場面ブランドの中核、ロゴ、独占したい資産汎用パーツ、テンプレート的な制作物

法人著作(第 15 条)は外部への発注には原則として及ばない

「会社が作らせたものは会社のものになる規定があるはずだ」と言われることがあります。それが法人著作(職務著作)です。ただし対象は限定されています。文化庁「令和 8 年度著作権テキスト」(8〜9 頁)によれば、成立するのは法人等が企画を立て、その「業務に従事する者」が職務上創作し、法人等の名義で公表され、契約や就業規則に別段の定めがない、という要件をすべて満たす場合です。

作った人法人著作の射程権利を動かす方法
自社の従業員要件を満たせば会社が著作者就業規則・職務発明規程などで整理
制作会社・フリーランス原則として及ばない譲渡または利用許諾を契約で定める
制作会社がさらに再委託した相手及ばない再委託先からの権利処理も必要

3 行目を見落とす現場が多いところです。発注先の制作会社と譲渡契約を結んでいても、その会社が外部のイラストレーターに描かせた素材の権利まで自動的に付いてくるとは限りません。再委託先からの権利処理ができているかを、発注側から確認しておくのが安全です。

なお「業務に従事する者」にあたるかどうかは、雇用契約の有無だけで決まるものではなく、指揮監督の実態などから個別に判断されます。常駐している業務委託者のようなケースを、この記事の一行で断定することはできません。


「著作権は甲に帰属する」だけでは移らない権利がある

この記事でいちばん実害が出やすいのがここです。著作権法第 61 条第 2 項は、「著作権を譲渡する契約において、第 27 条又は第 28 条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する」と定めています。

条文内容Web 制作で効いてくる場面
第 27 条翻訳・編曲・変形・翻案する権利デザインの作り替え、別ブランドへの展開、コードの改修
第 28 条二次的著作物の利用に関する原著作者の権利作り替えたあとのサイトを公開・運用し続けること

つまり「著作権は甲に帰属する」とだけ書いた契約では、納品物を改変する権利と、改変したものを使う権利が制作者側に残っていると推定されます。リニューアル、レスポンシブ対応の作り直し、別サービスへの流用——Web 制作で後から必ず発生する作業が、そこに引っかかります。

文化庁が示している書き方

解決策は難しくありません。文化庁「令和 8 年度著作権テキスト」(51 頁)は、「すべての著作権(著作権法第 27 条及び第 28 条の権利を含む)を譲渡する」と契約書に記載しておく必要がある、としています。この一文が入っているかどうかを見るだけで、契約書の点検はかなり進みます。

ひとつ注意しておきます。第 61 条第 2 項は「留保されたものと推定する」という書き方です。推定であって、覆せない決めつけではありません。契約全体の趣旨から別の結論になる余地は残ります。それでも、推定を覆すために交渉や立証を要する状態をわざわざ作る理由はないので、特掲しておくのが実務です。


そもそも譲渡できない権利がある

著作権法第 59 条は「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない」と定めています。「すべての権利を譲渡する」と書いても、この部分は動きません。契約書の「一切の権利を甲に譲渡する」という文言を、文字どおりに受け取ることはできないということです。

  • 公表権 — まだ公表していない作品を、いつどう公表するかを決める
  • 氏名表示権 — 作者名を出すか、出すならどう表示するかを決める
  • 同一性保持権 — 意に反して改変されない

Web 制作で問題になりやすいのは同一性保持権です。納品後にクライアント側で色を変え、写真を差し替え、レイアウトを崩して運用する——これが「意に反する改変」にあたると主張される余地が残ります。そこで実務上よく使われるのが、次の不行使特約です。

「著作者人格権を行使しない」条項をどう見るか

この条項の有効性そのものを断定する公的な資料は見当たりません。一方で、公的資料が注意を促している事実ははっきりしています。文化庁「令和 8 年度著作権テキスト」(51 頁)は、著作者人格権の不行使を規定する例について、「著作者としては、依頼者が著作物を改変、修正した場合や著作者の氏名を表示しなかった場合でも異議を述べることができないといった不利益が生じるため注意が必要です」と述べています。

さらに前述の知的財産権の取引指針は、不行使条項について、相応な対価の支払いや権利ごとの個別の定めを協議せずにひな形を押しつける場合は「一方的な設定と評価され得る」とし、優越的地位の濫用として問題となるおそれがあるとしています。

整理すると、不行使特約は「無効だから無視してよい」ものではなく、入れ方によっては独占禁止法やフリーランス法の側で問題になり得るものです。発注側は協議と対価をセットにする、制作側は改変の範囲(デザインの色調整は可・構造の作り替えは要相談、など)を具体的に書く。この二方向で扱うのが現実的です。


無償で譲渡させることには、公的な線引きがある

「権利は全部こちらに渡してもらう。金額は据え置きで」と言われたとき、受ける側が持ち出せる根拠が 2026 年に更新されています。前述の知的財産権の取引指針(令和 8 年 6 月 24 日)が、Web 制作を含む業種の実例つきで整理しました。

言われがちな要求公的資料での位置づけ
著作権を無償で譲渡してほしい正当な理由なく要請し、受注者が今後の取引への影響を懸念して受け入れざるを得ない場合、優越的地位の濫用(独占禁止法第 2 条第 9 項第 5 号)として問題となるおそれ
「著作権は甲に帰属する」条項だけ入れて対価は据え置き帰属条項の設定として指針が個別に項目を立てている
著作者人格権は行使しないと書いてほしい協議・対価なしの一方的な設定と評価され得る
ワイヤーフレームや構成案も全部提出してほしい中間成果物等の譲渡要請として指針が項目を立てている

フリーランス法では「書いていない譲渡」が問題になる

2024 年 11 月 1 日に施行されたフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)にも、権利の話が入ってきます。ただし条文の明示義務そのものに「知的財産権」という項目があるわけではありません。効いてくるのは、公正取引委員会・厚生労働省が示した法律の「考え方」(令和 6 年 5 月 31 日、令和 7 年 10 月 1 日改正)という行政解釈のほうです。

  • 業務委託の目的たる使用の範囲を超えて権利を譲渡・許諾させる場合、発注者は第 3 条の通知の「給付の内容」の一部としてその範囲を明確に記載する必要がある
  • その譲渡・許諾に係る対価を報酬に加える必要がある
  • 記載しないまま無償で範囲を超えて譲渡・許諾させることは、不当な経済上の利益の提供要請(第 5 条第 2 項第 1 号)に該当する具体例として挙げられている

発注側の実務としては、権利を広く取りにいくなら、その分を発注書と金額に書く。これだけで大半は片づきます。逆に言えば、書かずに広く取ろうとする形が、いちばん指摘を受けやすい形です。副業で受ける側の契約まわりは 副業で Web 制作を受けるときの時間と体制 でも触れています。


納品後、発注者はどこまで使えるのか

発注側の視点で、やりたいことごとに何が必要かを並べます。判断の軸は「譲渡を受けているか」「その譲渡に第 27 条・第 28 条が特掲されているか」「素材や第三者の権利が混ざっていないか」の 3 つです。

やりたいこと必要になるもの
納品されたまま公開・運用する譲渡または利用許諾。通常はここで足りる
別の会社にリニューアルを頼む第 27 条・第 28 条を特掲した譲渡、または改変を含む許諾
デザインを別サービスやチラシに転用する同上。加えて使用媒体が許諾範囲に入っているか
グループ会社や事業譲渡先に引き継ぐ譲渡していること。許諾の場合は再許諾の可否
制作物に使われた写真・イラストを他でも使う素材そのものの許諾範囲(制作会社との契約とは別レイヤー)
他社のマークやバッジを含む画面を配布する各ブランドのガイドライン(著作権とは別の話)

下 2 行は、制作会社との契約をどれだけ整えても解決しない領域です。素材については 商用利用できる素材の選び方 を、他社のマークについては 他社のマークを自社サイトに載せる前に読むガイドライン を、それぞれ別に確認してください。

納品時の確認は、権利だけでなく実装の側にもあります。何を見て受け取るかは 納品前に SEO 設定を自分で検証する手順 にまとめています。


制作実績として公開してよいか

受ける側でいちばん多い不安がこれです。ここで押さえておきたいのは、制作実績の公開は著作権だけでは決まらないということです。権利を全部譲渡していても実績として出せる場合がありますし、逆に権利が自分に残っていても守秘義務で出せない場合があります。

関門中身対処
守秘義務条項取引の存在自体を秘密と定めていることがある実績公開の可否を条項として別に立てる
譲渡した著作権画面キャプチャの掲載が複製にあたり得る「実績としての掲載は可」と明記しておく
クライアントの商標・ロゴ掲載方法にブランド側のルールがある掲載範囲を事前に合意する
公開のタイミングリリース前に出すと事故になる公開日以降、と条件を付ける

対処はどれも同じ形をしています。納品後に頼むのではなく、契約時に一行入れておくことです。「乙は本件成果物を自社の制作実績として公開できる。ただし公開日は甲の公開後とし、掲載範囲は事前に協議する」程度の条項で、後から気まずい交渉をする必要がなくなります。

公開が難しい案件でも、打てる手はあります。クライアント名を出さずに「業種・課題・施策・結果」だけを書く形なら、守秘義務に触れずに実力を示せます。名前を出せる案件が 1 件もない状態で困るより、初回の契約でこの一行を交渉するほうが早いです。


AI で生成した部分をどう扱うか

納品物に AI の生成物が混ざる場面が増えました。ここで先に確認しておくべきなのは、そもそも著作権が発生しているのかです。発生していないものは、譲渡することも独占することもできません。

2026 年 9 月時点で最新の公的な整理は、文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AI と著作権に関する考え方について」(令和 6 年 3 月 15 日)です。生成 AI への指示が「表現に至らないアイデアにとどまるような場合には、当該 AI 生成物に著作物性は認められないと考えられる」とし、著作物性は指示の分量・内容、生成の試行回数、複数の生成物からの選択といった要素を総合考慮して個別に判断されるとしています。人間が創作的表現といえる加筆・修正を加えた部分については、通常は著作物性が認められるとも述べています。

この考え方自体が「法的な拘束力を有するものではなく、確定的な法的評価を行うものではない」と断っている点は、そのまま受け取っておく必要があります。白黒がつく基準ではなく、判断の枠組みだということです。なお文化庁は、この考え方の解説資料として「AI と著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和 6 年 7 月 31 日)も公開しています

契約でやっておくこと

  1. AI の使用可否を決める — 一律禁止か、工程を限って可か。決めずに進めると後から揉める
  2. 使った場合の開示を求める — どの工程でどのツールを使ったか。納品物のどこかを特定できる形にする
  3. 独占できない可能性を共有しておく — 著作物性が認められない部分は、他社が似たものを使っても止められない
  4. ツール側の規約を確認する — 出力物の権利の扱いはサービスごとに違う

4 番目のツール規約側の話は、vibe coding の原義と実務用法 で AI が書いたコードの受け入れ判定とあわせて扱っています。なお学習利用については、著作権法第 30 条の 4 が、著作物に表現された思想又は感情を「自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合」に必要と認められる限度での利用を認めつつ、「当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない」というただし書を置いています。


契約前に埋めておく項目

ここまでの内容を、契約書を開いたときに順に確認できる形にまとめます。空欄が見つかったら、その場で埋めるより先に「どちらの解釈で運用するつもりだったか」を相手に聞くほうが早いです。

  1. 譲渡か、利用許諾か — どちらなのかが書かれているか
  2. 第 27 条・第 28 条の特掲 — 譲渡なら「第 27 条及び第 28 条の権利を含む」があるか
  3. 許諾なら範囲 — 媒体・期間・地域・再許諾の可否・独占かどうか
  4. 著作者人格権の扱い — 不行使とするなら、改変の範囲と対価を協議したうえで書く
  5. 中間成果物 — ワイヤーフレーム・構成案・未採用案をどう扱うか
  6. 第三者の素材 — 使用した素材の許諾範囲と、再委託先からの権利処理
  7. 制作実績の公開 — 可否・時期・掲載範囲
  8. AI の使用 — 可否・開示・独占できない部分の共有

ゼロから条項を書き起こす必要はありません。文化庁は「誰でもできる著作権契約マニュアル」を公開しており、前述の知的財産権の取引指針にも契約書のひな形が付いています。自分の案件に近いものを選んで、上の 8 項目が埋まっているかを見るのが早道です。


もめたときに使える相談先

自分の作ったものが無断で使われている、あるいは納品物の使われ方に納得がいかない。そういうとき、いきなり弁護士に依頼する前に使える窓口があります。政府広報オンラインは 2026 年 1 月 27 日の記事で、文化庁が相談窓口を設けており初回の相談は無料であること、著作権侵害かどうか迷っている段階でも相談できることを案内しています。

費用の支援制度もあります。運営元である一般社団法人日本ネットクリエイター協会の支援実施要綱(令和 8 年 7 月 10 日改定)は、支援対象経費の上限を 1 件あたり 150 万円、損害賠償請求に係る経費を含む場合は 400 万円と定めています。申請時には弁護士費用の前払金の納付が必要で、2026 年 9 月時点で公表されている案内では 1 万 1000 円(税込)です。

ひとつ注意があります。この支援は同要綱で実証期間が令和 10 年 3 月 31 日までと定められた制度で、恒久的なものではありません。使う場面が来たら、金額と期間を運営元の最新の案内で確認してください。


まとめ

制作物の著作権は、契約で動かさないかぎり作った側にあります。動かすなら譲渡か利用許諾かを決め、譲渡なら第 27 条・第 28 条を特掲する。著作者人格権は譲渡できないので、不行使とするなら協議と対価をセットにする。この 3 点で、Web 制作の現場で起きるもめごとの大半は前もって消えます。

いま手元にできることが 1 つあります。直近の契約書を開いて、権利に関する条項に「第 27 条」「第 28 条」の文字があるかを確認してください。無ければ、次の案件の見積もりを出すタイミングで、譲渡の範囲と金額をあらためて置き直す。それだけで、半年後のリニューアルで止まる事態を避けられます。


よくある質問

Q. 制作費を払えば著作権は自動的に発注者のものになりますか?

なりません。著作権法は権利の享有に「いかなる方式の履行をも要しない」と定めており、著作権は創作した側に発生します。発注者へ移すには、契約で譲渡または利用許諾を定める必要があります。公正取引委員会ほかの取引指針も「受注者が創作した著作物の著作権は著作権法に基づきその帰属先が定まる」としています。

Q. 「著作権は甲に帰属する」と書いてあれば十分ですか?

足りません。著作権法第 61 条第 2 項により、第 27 条(翻案権等)と第 28 条(二次的著作物の利用権)は、譲渡の目的として特掲されていないと譲渡人に留保されたものと推定されます。文化庁の著作権テキストは「すべての著作権(著作権法第 27 条及び第 28 条の権利を含む)を譲渡する」と記載する必要があるとしています。

Q. 著作者人格権を行使しないという条項は有効ですか?

有効か無効かを断定できる公的資料は見当たりません。ただし文化庁は、著作者が改変や氏名不表示に異議を述べられなくなる不利益を挙げて注意を促しています。また公正取引委員会ほかの取引指針は、対価や個別の定めを協議せずに一方的に設定する場合、優越的地位の濫用として問題となるおそれがあるとしています。

Q. 納品されたサイトを別の会社に改修してもらえますか?

契約次第です。第 27 条・第 28 条を特掲した譲渡を受けているか、改変を含む利用許諾があれば進められます。「著作権は甲に帰属する」とだけ書かれている場合は、改変にあたる作業について制作者側に確認するのが安全です。着手前に契約書の権利条項を読み直してください。

Q. 制作実績として自分のサイトに載せてよいですか?

著作権とは別に、守秘義務条項と実績公開の取り決めで決まります。権利を譲渡していても、契約に「制作実績として公開できる」と書いてあれば掲載できます。逆に取り決めがないまま載せると、取引の存在自体が秘密と定められている場合に問題になります。契約時に可否・時期・掲載範囲を一行入れておくのが確実です。

Q. AI で生成した部分の権利はどうなりますか?

文化審議会の「AI と著作権に関する考え方について」(令和 6 年 3 月 15 日)は、指示が表現に至らないアイデアにとどまる場合、AI 生成物に著作物性は認められないと考えられるとしています。著作物性がなければ譲渡も独占もできません。人間が創作的表現といえる加筆・修正を加えた部分には、通常は著作物性が認められるとされています。

Q. 無断で使われているのを見つけたらどこに相談できますか?

文化庁が相談窓口を設けており、初回の相談は無料です。侵害かどうか迷っている段階でも相談できます。弁護士への相談で侵害の可能性が高いと見込まれる場合、削除要請などの費用支援を申請でき、上限は 1 件あたり 150 万円、損害賠償請求に係る経費を含む場合は 400 万円です。ただし実証期間が令和 10 年 3 月 31 日までの制度なので、最新の案内を確認してください。


本記事の出典(すべて 2026 年 9 月 4 日取得)


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