Adobe XDの現在地とXD資産の移行判断|Figmaへ移すか据え置くか


Adobe XDは、アドビ公式サイト上に新規購入の導線が公開されておらず、新機能を伴う更新も2023年6月のバージョン57で止まっているデザインツールです。ただしバグ修正のリリースは2026年5月のバージョン61まで続いており、公式ヘルプも公開されたままなので、サポートが終了したわけではありません。

この記事は、これからデザインツールを選ぶ人ではなく、すでに手元に .xd ファイルを抱えている人に向けて書いています。過去案件のデザインカンプ、クライアントから支給された画面データ、まだ社外に配ったままの共有リンク。そうした資産をこの先どう扱うかを決めるための材料をまとめました。

やることは3つです。ひとつめは、Adobe XDが今どういう状態にあるのかを一次情報で確認すること。ふたつめは、その状態をあなた自身の環境で確かめる手順を持って帰ること。みっつめは、手元の資産をFigmaへ移すか据え置くかを、決められる形の基準に落とすことです。据え置くと決めた場合に「いつ壊れるか」を自分で監視する方法も後半に置きました。

先に、この記事が書かないことも明示しておきます。「アドビが販売終了を発表した」とは書きません。そう宣言している公式ページを見つけられなかったからです。「サポートが終了した」とも書きません。2026年5月にバグ修正リリースが出ている以上、それは事実に反します。この記事に書いてあるのは、公開されているページを実際に開いて確認できた状態と、その確認日だけです。


Adobe XDの現在地|購入導線は公開されておらず、サポートは終わっていない

以下はすべて2026年8月2日に、実際のブラウザで各ページを開いて確認した内容です。アドビのサイトは自動取得をブロックするため、コマンドラインのツールでは取得できませんでした。読者が同じ手順を踏めば同じ画面に到達できます。

製品ページと購入導線がどうなっているか

確認した場所開いた結果読み取れること
アドビのAdobe XD製品ページヘルプセンターの「Adobe XD ヘルプ」に転送された単体の製品ページ・購入ページは公開されていない
Creative Cloudの個人向けプラン一覧ページ本文に「Adobe XD」の記載が見当たらない個人向けプランの構成にXDが含まれていない
XDヘルプのリリースアップデート最新はバージョン61(2026年5月)リリース自体は継続している
XDヘルプのよくある質問最終更新日は2023年10月12日説明文の側は更新が止まっている
XDヘルプの必要システム構成最終更新日は2025年2月11日動作環境の情報は比較的新しい

ここで重要なのは、「見つからなかった」と「存在しない」は違うということです。確認できたのは、公開されているページをたどって購入導線に到達できなかったという状態であって、アドビが販売を終了したという宣言ではありません。この記事はその線を越えません。

リリース履歴が示していること

公式ヘルプの「リリースアップデート」は、冒頭に「XD でリリースされた軽微なバグの修正と改善について説明します。」と書かれています。掲載されているバージョンを新しい順に並べると、次のようになります。

バージョンと公開時期公式ヘルプに書かれている内容
バージョン61(2026年5月)バグ修正とワークフローのわずかな改善
バージョン60(2025年12月)バグ修正とワークフローのわずかな改善
バージョン59(2025年7月)バグ修正とワークフローのわずかな改善
バージョン58(2025年2月)バグ修正とワークフローのわずかな改善
バージョン57(2023年6月)レイヤーパネルの項目の折りたたみ、文字スタイルのパディング編集

つまり、新機能を伴う更新は2023年6月のバージョン57が最後で、それ以降の4回はいずれも同じ一文だけが並んでいます。「開発が止まっている」という表現はここでは正確ではありません。止まっているのは新機能の追加であって、リリースそのものは2026年5月まで続いています。

更新が続いているページと、止まっているページがある

XDのヘルプはひとかたまりではありません。ページごとに最終更新日が違い、そこに温度差が出ています。

  • リリースアップデート:最終更新日 2026年6月1日。バージョン61まで追記されている
  • 必要システム構成:最終更新日 2025年2月11日。macOS v13以降、Windows 10(バージョン21H2・22H2)およびWindows 11(バージョン21H2以降)、RAM 4GBと記載
  • よくある質問:最終更新日 2023年10月12日。メンテナンス状態や販売終了に関する記述は無い

製品の説明文は2023年で止まり、動作環境とリリース履歴だけが更新され続けている。これは「積極的に売る対象ではないが、動かし続けてはいる」状態の典型的な見え方です。後半の監視の章では、この最終更新日の並びをそのまま定点観測の指標として使います。

この記事が断定しないこと

Adobe XDについては、断定した瞬間に誤りになる論点がいくつもあります。以下は意図的に結論を出していない項目です。ここを曖昧にしたまま「もう終わりました」と書く記事が多いので、あえて明示しておきます。

  • アドビが新規販売の終了を宣言したかどうか。そう明記した公式ページを見つけられなかったため、断定しない
  • 現在のCreative Cloud契約者がXDをインストールできるかどうか。契約内容によって変わり、ログインしないと確認できないため断定しない(自分の環境で確かめる手順は次の章に置いた)
  • いわゆる「メンテナンスモード」という言い方。ユーザーフォーラムの投稿には多く見かけるが、アドビの公式ヘルプ上では確認できなかったため使わない
  • XDからFigmaへ変換するサードパーティ製プラグインの実際の動作。この記事では検証していないため、具体名を挙げた手順は書かない

出典は次の各ページです(いずれも2026年8月2日に取得)。Adobe公式ヘルプ「リリースアップデート」Adobe公式ヘルプ「Adobe XD のよくある質問」Adobe公式ヘルプ「Adobe XD の必要システム構成」Adobe公式「Creative Cloud のプラン、価格、メンバーシップ」Adobe公式のAdobe XD製品ページ


自分の環境でAdobe XDの状態を確かめる3ステップ

ここが、この記事を読んでその場で結論が出る部分です。他人が書いた「終わったらしい」を信じる必要はありません。所要は5分ほどで、必要なのはブラウザと、Creative Cloudを契約しているならそのデスクトップアプリだけです。ステップ1と2は誰でも実行でき、ステップ3で自分の契約に固有の答えが出ます。

ステップ1|製品ページの転送先を見る

アドビ公式のAdobe XD製品ページを開き、アドレスバーが最終的にどのURLで止まるかを見ます。前章の出典リンクからそのまま開けます。

  • 合格ライン:ヘルプセンターの「Adobe XD ヘルプ」に転送されたら、購入ページは公開されていない状態です
  • 外れた場合:転送されずに製品紹介と価格が並ぶページが表示されたら、この記事を書いた時点から状況が変わっています。表示されているアドビの公式情報を優先してください

ステップ2|プラン一覧をページ内検索する

Creative Cloudの個人向けプラン一覧を開き、ブラウザのページ内検索(macOSはcommandとF、Windowsは control とF)で「XD」と入力します。単体プランのカードが並ぶページなので、そこに載っていないアプリは、個人が単体で契約する導線が用意されていないということになります。

  • 合格ライン:ヒット0件なら、そのページ上にXDの契約導線は無いという確認になります
  • 比較の材料:同じ一覧にはDreamweaverやAnimateといった、同じく主戦場から外れた印象のあるアプリが並んでいます。「古いから消えた」のではなく、XDだけが一覧から外れている点が読み取れます

ステップ3|Creative Cloudデスクトップアプリの一覧を見る

ここが自分の契約でしか答えが出ない部分です。Creative Cloudデスクトップアプリを起動し、「すべてのアプリ」の一覧にAdobe XDが表示されるかを確認します。表示されればインストールでき、表示されなければその契約からは入手できません。

ひとつ注意点があります。アドビの公式FAQには「XDがCreative Cloudデスクトップアプリケーションに表示されないのはなぜですか?」という項目があり、新しいユーザーを作成した場合は表示されるまでに24〜48時間かかると書かれています。契約を切り替えた直後に一覧を見て「無い」と判断するのは早すぎます。ただしこの記述は2023年10月時点のもので、現在の挙動を保証するものではありません。

3ステップの結果をどう読むか

見えた状態意味次にやること
製品ページが転送され、プラン一覧にも記載が無い公開されている導線からは新規に入手できない移すか据え置くかの判断に進む
デスクトップアプリの一覧にXDが出る自分の環境では引き続き起動できる据え置きも選べる。監視の章へ
デスクトップアプリの一覧にXDが出ないその契約ではインストールできないXDが動く環境が社内に残っているうちに書き出しを済ませる
製品ページが転送されず購入できる状態この記事の前提が変わっている記事の記述より、表示されている公式情報を優先する

3行目に当たった場合が、いちばん急ぎます。「開けない .xd がある」状態は、ファイルが残っていても資産としては失われているのと同じだからです。次の章で、まず何を数えるかを決めます。


手元のXD資産を棚卸しする

移行の話をいきなり始めると、たいてい「全部Figmaに入れ直すのは無理だ」で止まります。止まる理由は、移すべきものと、移さなくてよいものを分けていないからです。先に数えます。

資産は3種類に分かれる

アドビ公式のXDよくある質問には、ファイル形式について次のように書かれています。ローカルに保存されるファイルの拡張子は .xd、クラウドドキュメントは .xdc という形式で、クラウドドキュメントはローカルファイルシステムには保存されない。この一文が棚卸しの出発点になります。

資産の種類どこにあるか手を打つ優先度
ローカルの .xd ファイル自分のディスク、社内のファイルサーバー、外付けドライブ低い。手元にある限り、勝手には消えない
クラウドドキュメント(.xdc)アドビのクラウド上。手元に実体が無い高い。自分では持っていない資産だと考える
公開した共有リンクアドビの公開サービス上。社外の相手が見ている最も高い。切れると相手側の業務が止まる

ディスクを検索して .xdc が1件も出てこないのは正常です。クラウドドキュメントはローカルには置かれないので、ファイル検索では棚卸しが完了しません。XDを起動して、クラウド側のドキュメント一覧を目視で確認する必要があります。

棚卸しの手順

  1. ローカルと社内サーバーを .xd で全文検索し、ファイル名・案件名・最終更新日を一覧にする
  2. XDを起動してクラウドドキュメントの一覧を開き、ローカルの一覧に無いものを書き足す
  3. 公開中の共有リンクを洗い出し、まだ社外の誰かが見ている可能性があるものに印を付ける
  4. 各行に「今後も編集する可能性があるか」を、あり・なしの2択で入れる
  5. 編集の可能性が「なし」の行は、移行対象から外して閲覧用の書き出しだけを残す

実務で効くのは5番です。受託で溜まった .xd の大半は、納品済みで二度と編集しない画面です。それをFigmaに作り直す必要はありません。後から見返せる形(画像とPDF)で残せば十分で、これだけで移行対象は目に見えて減ります。

共有リンクとクラウドドキュメントを先に扱う理由

ローカルの .xd は、最悪の場合でもファイルとして手元に残ります。開くアプリが無くなっても、ファイル自体が消えるわけではありません。一方でクラウドドキュメントと公開中の共有リンクは、自分の管理下に実体が無い資産です。しかも共有リンクは、切れたときに気付くのが自分ではなくクライアントである点が厄介です。

優先順位は共有リンク、クラウドドキュメント、ローカルの .xd の順です。時間が取れないなら、上の2つだけ処理して3つ目は先送りにする、という切り方が現実的です。


Figmaへ移すか据え置くかの判断基準

判断の軸は「XDが好きかどうか」ではなく、その資産をこの先も編集するかどうかです。編集しないものは移さない。編集するものだけを移す。この一行に集約されます。

移行を選ぶ条件と、据え置きを選ぶ条件

次のどれかに当てはまるなら移行に倒します。

  • そのデザインを継続的に更新する運用フェーズの案件である
  • 複数人で同時に触る必要がある、またはクライアントにコメントを入れてもらいたい
  • エンジニアへの受け渡しを、閲覧用のリンクだけで完結させたい
  • 前章のステップ3で、自分の環境にXDをインストールできないことが分かった

逆に、次のどれかに当てはまるなら据え置きで構いません。

  • 納品済みで、編集する予定が無い
  • 手元のマシンでXDが問題なく起動し、当面OSを上げる予定も無い
  • 移行にかかる時間を、いま請求できる先が無い

据え置きを選ぶこと自体は間違いではありません。間違いになるのは、据え置いたまま何も見ずに放置することです。据え置きを選んだ場合にやることは、この記事の後半で定点観測の手順として示します。

移行コストは資産の状態で桁が変わる

どこまで引き継ぎたいか移行の実態見積もりの数え方
後から見返せれば足りる画像として書き出して保管するファイル数×書き出しの時間
ベクターの形を残したい書き出したデータをFigmaに読み込み、体裁を整え直す画面数×手直しの時間
コンポーネントとスタイルを引き継ぎたい実質的に作り直しになるデザインシステムを新規に作る工数
プロトタイプの遷移まで再現したい遷移の仕様を書き起こしてFigmaで組み直す画面遷移の本数×設定の時間

上の2行と下の2行では、かかる時間が一桁違います。「移行する」という言葉を、この4段階のどれなのかまで具体化してから見積もると、話が現実的になります。全案件を最下段でやろうとすると、まず終わりません。

Figmaに公式のXDインポート機能は見当たらない

移行の前提として、これは押さえておく必要があります。Figma公式のヘルプセンターで「Adobe XD」を検索したところ、すべてのカテゴリで結果は2件、いずれもAdobe Fontsに関する記事でした(2026年8月2日確認)。XDファイルのインポートを扱った公式記事は見つかりません。

つまり「.xd をFigmaにドラッグすれば開ける」という前提で計画を立ててはいけないということです。移行はサードパーティ製プラグインを使うか、書き出しを経由して組み直すかのどちらかになります。プラグイン側の動作についてはこの記事では検証していないので、採用する場合は必ず捨ててよい複製ファイルで先に試してください。


移行すると決めたときの現実的な進め方

公式にサポートされた変換経路が無い以上、頼れるのはXD側が公式に持っている書き出し機能です。ここは推測ではなく、アドビ公式のXDよくある質問に書かれている内容から組み立てられます。

公式ヘルプで確認できる書き出し経路

  • すべてのオブジェクトをPNGまたはSVGで書き出せる
  • PhotoshopやIllustratorに読み込める。Illustratorでは編集可能なベクターとして、Photoshopではフラットなビットマップとして読み込まれる
  • XDが読み込める形式は、テキスト・JPG・GIF・PNG・TIFF・SVG・BMP・PSD・AI・SKETCH
  • HTML・CSS・JavaScriptとしての書き出しは、サードパーティ製プラグインを使う

ここから導かれる現実解は、形を残したいものはSVG、見た目の記録として残せば足りるものはPNGという二択です。FigmaはSVGもPNGも読み込めるので、いったんこの2形式に落としておけば、XDが起動しなくなった後でも中身にアクセスできます。なお、書き出しからFigmaでの読み込みまでの一連の操作は、この記事では実機で検証していません。実データで試す前に、必ず複製で挙動を確かめてください。

「変換」ではなく「作り直し」を前提に組む

SVGで持ち込めるのは形と色までで、コンポーネントの親子関係やレスポンシブの設定は引き継げません。継続して編集する案件ほど、書き出しを土台にFigmaで組み直したほうが結局は早いのはこのためです。変換の精度を上げようとしてプラグインを探し回るより、画面を1枚作り直してから所要時間を測るほうが判断が早く終わります。

作り直すときは、画面を写す前に土台のルールを決めておくと手戻りが減ります。ウィンドウ幅・コンテンツ幅・カラム設計の決め方はデザインカンプ前に決めるWebデザインのルールにまとめてあります。Figmaの操作そのものに慣れていない場合は、既存デザインを写しながら手を動かすFigmaで始める模写コーディングから入るのが早道です。

移行先をFigmaに決めきれていない場合や、そもそも案件の性質に対してどのツールが合うかから考え直したい場合は、Canva・Figma・STUDIOの使い分け完全ガイドを先に読んでください。この記事はツール選定には踏み込まず、XD資産の扱いに限定しています。

移行後にやること

Figmaに移し終えたら、次に効くのはデザインからコードへの受け渡しを短くすることです。移行のためだけに時間を使って終わるのではなく、移行後の運用が前より軽くなって初めて元が取れます。Dev Modeを経由してデザイン情報をコード生成につなぐ手順はFigmaとClaude Codeを連携する方法で解説しています。

移行先の費用感も先に把握しておきます。Figma公式の「プランと料金」によると、プランはスターター(無料)・プロフェッショナル・ビジネス・エンタープライズの4段階で、加えてフルシート・Devシート・コラボシートという3種類のシートから選ぶ形になっています。プロフェッショナルの月額は、通貨を日本円に切り替えた表示でフルシート2,400円、Devシート1,800円、コラボシート450円でした(2026年8月2日確認)。同じページを通貨切り替えなしで開くと米ドル建てで表示されるので、金額を比べるときは通貨表示をそろえてください。

閲覧とコメントだけの相手にフルシートを渡す必要はありません。移行を機に、誰にどのシートを割り当てるかを決め直すと、席数の見積もりが現実的な金額に収まります。


据え置くと決めたら、いつ壊れるかを自分で監視する

据え置きを選んだ人がやるべきことは、四半期に一度、3つのページを開いて数字を記録するだけです。所要は5分ほど。アドビからの案内を待つのではなく、公開情報の変化を自分で拾いに行きます。

四半期に一度見る3つのページ

見るページ記録する値2026年8月2日時点の値
XDヘルプのリリースアップデート最新バージョン番号と公開年月バージョン61(2026年5月)
XDヘルプの必要システム構成ページの最終更新日と、対応OSの下限2025年2月11日更新。macOS v13以降
XDヘルプのよくある質問ページの最終更新日2023年10月12日

3ページとも、この記事の前半に出典リンクを置いてあります。ブラウザのブックマークにフォルダを1つ作ってまとめて入れておくと、四半期ごとの確認が数十秒で終わります。記録は日付と値だけで十分で、スプレッドシート1枚あれば足ります。

合否ラインと、外れたときの分岐

観測した変化読み取れること取る行動
新機能つきのリリースが出た開発方針が変わった可能性がある据え置きを継続してよい。次の四半期にもう一度見る
バグ修正のリリースが12か月出ていない実質的に手が入らなくなった移行の着手を前倒す
必要システム構成から自分のOSが外れた次のOS更新で起動しなくなり得るOSを上げる前に書き出しを済ませる
ヘルプのページ自体が消えた、または別ページへ転送されたドキュメントごと畳まれた合図最優先で共有リンクとクラウドドキュメントを回収する

いちばん見落とされるのが3行目です。XDが動かなくなる引き金は、アドビの発表よりも自分のOSアップデートである可能性が高い。現在の必要システム構成はmacOS v13以降、Windows 10のバージョン21H2・22H2およびWindows 11のバージョン21H2以降となっていますが、これは2025年2月11日更新の内容です。業務機のOSを大きく上げるときは、先に別のマシンでXDの起動を確認してから当てるのが安全です。

監視はここで止める

この監視は四半期ごとに3ページ、それ以上は追わないという設計です。フォーラムの投稿を追いかけたり、アドビの決算資料を読み込んだりする必要はありません。上の表の4つの変化はいずれも公開ページ上で目視できるもので、そこに変化が出た時点で行動を決めれば間に合います。

逆に言えば、この5分を四半期に一度払わないなら、据え置きという選択は取るべきではありません。据え置きは「何もしない」ではなく「観測し続ける」という判断だからです。それが続かないと分かっているなら、時間があるうちに移行してしまうほうが安全です。


まとめ|今日決められることと、先送りしてよいこと

Adobe XDは、購入導線が公開されていない一方で、バグ修正のリリースは2026年5月まで続いています。「終わった」でも「大丈夫」でもない、中間の状態です。だからこそ、他人の断定を借りるのではなく、自分の環境で確かめて判断するのが確実です。

今日やること

  1. 3ステップで、自分の環境でXDを入手・起動できるかを確定させる
  2. 公開中の共有リンクとクラウドドキュメントだけを先に洗い出す
  3. 洗い出した資産を、今後も編集するか・しないかの2択で仕分ける

先送りしてよいこと

ローカルに置いてある納品済みの .xd を、いま全部Figmaへ作り直すこと。これは急ぎません。編集しないファイルは、閲覧できる形で書き出しておけば資産として維持できます。期限が公表されているわけではないので、案件が動いたタイミングで順に移す進め方で問題ありません。

そして四半期に一度、3ページを開いて日付を記録する。この記事から持ち帰る価値があるのは、結論そのものよりも、結論を自分で更新し続けられる手順のほうです。


よくある質問

Q. Adobe XDはサービスが終了したのですか?

終了したとは言えません。バグ修正のリリースが2026年5月のバージョン61まで出ており、公式ヘルプも公開されたままです。一方でアドビの製品ページはヘルプセンターへ転送され、個人向けプラン一覧にも記載が見当たりません(いずれも2026年8月2日に確認)。確認できる範囲で正確に言うと、新規に購入する導線が公開されていない状態、ということになります。

Q. これから新しく契約して使い始められますか?

アドビ公式の個人向けプラン一覧にAdobe XDの記載がなく、XD単体の価格ページも見当たりませんでした(2026年8月2日確認)。したがって公開されている導線から新規に契約する方法は確認できません。既存の契約でインストールできるかどうかは契約内容によるため本記事では断定せず、Creative Cloudデスクトップアプリのアプリ一覧で確かめる手順を本文に置いています。

Q. Adobe XDの開発は止まっているのですか?

新機能を伴う更新は2023年6月のバージョン57が最後です。以降のバージョン58から61までは、公式ヘルプ上「バグ修正とワークフローのわずかな改善」とだけ記載されています。開発が完全に止まったのではなく、新機能の追加が止まっている状態、というのが公式の記述から読み取れる範囲です。

Q. 手元の .xd ファイルはFigmaで開けますか?

Figma公式ヘルプで「Adobe XD」を検索した結果は2件で、どちらもAdobe Fontsに関する記事でした(2026年8月2日確認)。XDファイルのインポートを扱った公式の機能・手順は確認できません。移行する場合は、XDから書き出したデータをFigmaで組み直すか、サードパーティ製プラグインを使うことになります。プラグインの動作は本記事では検証していないため、採用するなら複製ファイルで先に試してください。

Q. 拡張子の .xd と .xdc は何が違うのですか?

アドビ公式のXDよくある質問によると、ローカルに保存されるファイルの拡張子が .xd、クラウドドキュメントの形式が .xdc です。クラウドドキュメントはローカルファイルシステムには保存されません。手元のディスクを検索しても .xdc が見つからないのはこのためで、クラウド側の一覧を開いて別に棚卸しする必要があります。

Q. すぐに全部移行しないと危ないですか?

期限が公表されているわけではないので、慌てて全部を移す必要はありません。優先度が高いのは、社外に配ってある共有リンクと、クラウドに置いたままのドキュメントです。ローカルの .xd はファイルとして手元に残るため、案件が動いたタイミングで順に移すという判断も十分に成立します。

Q. XDが動かなくなる可能性が高いのはどんなときですか?

アドビの発表よりも、自分のOSアップデートのほうが引き金になりやすいと考えられます。公式の必要システム構成は2025年2月11日更新で、macOS v13以降、Windows 10のバージョン21H2・22H2およびWindows 11のバージョン21H2以降となっています。業務で使うマシンのOSを大きく上げるときは、別の環境でXDの起動を確認してから当てるのが安全です。

Q. どのデザインツールに移るべきか迷っています

この記事はXD資産の扱いに範囲を限定しているため、ツール選定そのものは扱っていません。案件の性質ごとの向き不向きはCanva・Figma・STUDIOの使い分け完全ガイドにまとめてあります。移行先を決めてから、この記事の棚卸しと判断基準に戻ってくる進め方が無駄になりません。

Adobe Creative CloudAdobe XDの現在地とXD資産の移行判断|Figmaへ移すか据え置くか