llms.txt(エルエルエムエス テキスト)は、AIにサイトの概要と主要ページを伝えるための案内ファイルです。ただし2026年8月時点で、「自社のAIがllms.txtを読んでいる」と公式に表明しているAI提供元は1社もありません。Googleにいたっては、公式ドキュメントで「Google検索は使っていない」「順位にも表示にも影響しない」と明記しています。
この記事は、llms.txtの書き方や設置手順を解説するものではありません。「置けばAIに引用される」という説明がどこまで裏付けられているのかを、各AI提供元の公式ドキュメントと第三者の実測データで確かめ、そのうえで「それでも置く価値があるのはどんなサイトか」を判定します。
実際に書き方・設置方法を知りたい場合は、手順をまとめた llms.txtの書き方と設置手順 を先にご覧ください。この記事はその判断材料を提供する立場です。
結論:llms.txtを読むと表明したAI提供元は、現時点で存在しない
先に結論を3行でまとめます。以降の章は、この3行それぞれの根拠を一次ソースで示すものです。
| 論点 | 2026年8月時点での事実 |
|---|---|
| AIは読んでいるのか | Google・OpenAI・Anthropic・Perplexityのいずれも、自社クローラーがllms.txtを読むとは公開ドキュメントに書いていない。Googleは明示的に「使っていない」と否定 |
| 実際にアクセスは来ているのか | 137,210ドメインを対象とした実測調査で、llms.txtファイルの97%が調査期間中に1件もリクエストを受けていない |
| では無意味なのか | AI検索の引用対策としては裏付けがない。ただし開発者向けAIエージェントが取りに来るケースは実測で確認されており、用途を限定すれば意味はある |
なぜ「llms.txtは効く」という説明が広まったのか
llms.txtは2024年9月、開発者のJeremy Howard氏によって提案された仕様です。提案文書そのものは、AI検索での露出を約束していません。それどころか仕様書には、次のように書かれています。
This proposal does not include any particular recommendation for how to process the llms.txt file, since it will depend on the application.(この提案は、llms.txtファイルをどう処理するかについて特定の推奨を含まない。用途によって異なるためである)
出典:llmstxt.org — The /llms.txt file
つまり提案元自身が「読み方は決めていない」と明言している仕様です。「置けばAIが読む」という前提は、提案の中身ではなく、提案を紹介する側の解釈として後から付け足されたものだと考えるのが正確です。
加えて、robots.txtやsitemap.xmlという「置くだけで検索エンジンが読んでくれるファイル」の成功体験がWeb運営者側にあります。名前も置き場所も似ているため、同じように機能するはずだという類推が働きやすい。この類推が正しいかどうかを、次章から実際の公式ドキュメントで確かめます。
主要AI提供元4社の公式スタンス(一次ソース付き)
AI検索の主要プレイヤー4社が、自社のクローラーについて何を公開しているかを確認します。判定の基準はシンプルで、「公式ドキュメントにllms.txtの記載があるか」「サイト側の制御手段として何を案内しているか」の2点です。
| 提供元 | llms.txtへの言及 | 公式に案内している制御手段 |
|---|---|---|
| あり(「使っていない」と明示的に否定) | robots.txt/Google-Extended | |
| OpenAI | クローラー仕様の中には記載なし | robots.txt(GPTBot / OAI-SearchBot 等を個別指定) |
| Anthropic | クローラー説明ページに記載なし(0箇所) | robots.txt(ClaudeBot / Claude-User / Claude-SearchBot)+Crawl-delay |
| Perplexity | クローラー仕様の中には記載なし | robots.txt/IPレンジ照合/WAFルール |
Google — 公式ドキュメントで明確に否定している
4社のうち唯一、Googleだけがllms.txtについて公式に見解を出しています。生成AI機能向けの最適化ガイドの中に、次の記述があります。
You don’t need to create new machine readable files, AI text files, markup, or Markdown to appear in Google Search (including its generative AI capabilities), as Google Search itself doesn’t use them.(Google検索に表示されるために、機械可読ファイルやAI向けテキストファイル、マークアップ、Markdownを新たに作る必要はない。Google検索自身がそれらを使っていないからだ)
出典:Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」
同じページの注記では、設置そのものは禁止していないという書き方で、効果を否定しています。
It’s completely fine if you decide to create and maintain LLMS.txt files (or other similar files) for other services or systems that use these files. Doing so will neither harm nor help your site’s visibility or rankings in Google Search, as Google Search ignores them.(これらのファイルを使う他のサービスやシステムのために、llms.txtを作って維持するのはまったく問題ない。ただしそれによってGoogle検索での表示や順位が上がることも下がることもない。Google検索は無視するからだ)
出典:同上(この記述は Google Search Central 更新履歴 の2026年6月15日「llms.txtの扱いに関するガイダンスを明確化」で追加されたもの)
さらに同ガイドは、優先すべき施策のセクションで「AEO/GEOハックより効果的なSEO施策を優先せよ」と述べ、その例として「不要なAI向けテキストファイル(llms.txtなど)を作ること」を名指しで挙げています。Google側の立場に解釈の余地はほとんどありません。
この見解は突然出てきたものではありません。GoogleのJohn Mueller氏は2025年6月17日、Bluesky上で「FWIW no AI system currently uses llms.txt.(参考までに、現時点でllms.txtを使っているAIシステムは1つもない)」と投稿しています。1年後の公式ドキュメント更新は、この発言を正式なガイダンスに格上げしたものと読めます。
出典:John Mueller氏のBluesky投稿(2025年6月17日)/報道は Search Engine Roundtable「Google: No AI System Currently Uses LLMs.txt」。
OpenAI — 案内しているのはrobots.txtだけ
OpenAIはクローラーの公式仕様ページで、GPTBot(モデル学習用)、OAI-SearchBot(ChatGPT検索の結果表示用)、ChatGPT-User(ユーザー操作による取得)、OAI-AdsBot(広告リンク先の検証用)の4種類を公開しています。
サイト側がこれらを制御する手段として案内されているのはrobots.txtのみです。同ページには「ChatGPTの検索結果に表示されるようにするには、robots.txtでOAI-SearchBotを許可することを推奨する」という趣旨の記述があり、llms.txtを置けという案内はありません。「AIに読ませるファイル」として公式に指定されているのは、あくまでrobots.txtです。
出典:OpenAI Developers「Bots」(2026年8月1日確認)
Anthropic — クローラー説明にllms.txtは1度も出てこない
Claudeを開発するAnthropicは、ClaudeBot(学習用)、Claude-User(ユーザーの質問に応じた取得)、Claude-SearchBot(検索インデックス用)の3種類を公開しています。制御手段として案内されているのはrobots.txtと、非標準拡張であるCrawl-delayです。
このページ全文にllms.txtという文字列は1度も出てきません(2026年8月1日時点で確認)。「Anthropicが対応している」という説明を見かけたら、その根拠がどこにあるのかを確かめる価値があります。
Perplexity — robots.txtとIPレンジでの制御を案内
Perplexityが公開しているのはPerplexityBot(検索結果への掲載用)とPerplexity-User(ユーザーの質問に応じた取得)の2種類です。制御手段はrobots.txt、公開IPレンジによるホワイトリスト、CloudflareやAWS WAFでのルール設定の3つが案内されています。ここにもllms.txtは登場しません。
出典:Perplexity Docs「Perplexity Crawlers」
紛らわしい事実:AI各社は自社ドキュメントにllms.txtを置いている
「AI企業自身が設置しているのだから効くはずだ」という論法をよく見かけます。ここは事実関係を正確に切り分ける必要があります。2026年8月1日時点で実際にアクセスして確認した結果は次のとおりです。
| URL | 結果 | 種別 |
|---|---|---|
| platform.claude.com/llms.txt | 200(docs.anthropic.com からリダイレクト) | 開発者向けドキュメントサイト |
| developers.openai.com/llms.txt | 200 | 開発者向けドキュメントサイト |
| docs.perplexity.ai/llms.txt | 200 | 開発者向けドキュメントサイト |
| www.anthropic.com/llms.txt | 404 | コーポレートサイト本体 |
| developers.google.com/llms.txt | 404 | 開発者向けドキュメントサイト |
設置されているのは開発者向けドキュメントサイトであって、企業のコーポレートサイト本体ではありません。Anthropicの本体ドメインは404を返します。そして各社のllms.txtの中身は「ドキュメントの目次」です。目的は「自社APIを使う開発者のAIエージェントに、公式ドキュメントを正しく読ませる」ことであり、「自社の存在をAI検索に認識させる」ことではありません。
つまり「AI企業が設置している」は事実ですが、それが指し示しているのはドキュメント配信の用途であって、企業サイトのAI検索対策としての有効性ではありません。この区別が、次章以降の判断の分かれ目になります。
実測データ:llms.txtの97%は1件もリクエストが来ていない
公式スタンスの次は、実際のアクセスログを見た調査です。SEOツールのAhrefsが2026年6月に公開した調査は、137,210ドメインを対象に、llms.txtが実際に誰にどれだけ取得されているかを2026年5月のデータで集計しています。
結果は明快です。llms.txtファイルの97%が、調査期間中に1件もリクエストを受けていませんでした。有効なllms.txtを公開していた約38,000ドメインのうち、何らかのアクセスがあったのは約1,100件にとどまります。
出典:Ahrefs「We Analyzed 137K Sites: 97% of llms.txt Files Never Get Read」(2026年6月公開・データは2026年5月)
誰がllms.txtを取りに来ているのか
より重要なのは、残り3%の内訳です。同調査によるリクエスト元の分類は次のようになっています。
| リクエスト元の分類 | 割合 | これは何か |
|---|---|---|
| SEO監査ツール | 21.7% | 最多。サイト診断ツールが「llms.txtがあるか」を見に来ている |
| 正体不明のボット | 14.9% | UAから判別できないアクセス |
| 一般のWebクローラー | 13.1% | Googlebot等。llms.txtを特別扱いしているわけではない |
| 技術プロファイリングツール | 11.6% | BuiltWith等、使用技術を調べるサービス |
| AIエージェント・関連インフラ | 10.5% | Claude Code等の開発者向けエージェント |
| AI学習クローラー | 5.3% | 内訳はGPTBot 4.51%、ClaudeBot 0.80% |
| AI検索用の取得ボット | 1.1% | ChatGPT・Perplexityの検索用取得。最下位クラス |
llms.txtを取りに来ているアクセスの最大勢力はSEO監査ツールです。つまり「llms.txtが設置されているか」をチェックするツールが、自分でアクセスを発生させている構図になっています。一方、この施策が本来ターゲットにしているはずのAI検索用取得ボットは1.1%と、全分類の中で最も少ない部類です。
「アクセスが来た」を「効果があった」と読み替えない
この調査データを読むうえで、混同しやすい3段階を分けておく必要があります。
- ファイルが取得された(アクセスログで確認できる)
- 取得した内容がモデルの回答生成に使われた(外からは確認できない)
- その結果として引用が増えた(llms.txt単独の寄与は切り分けられない)
観測できるのは1だけです。2と3は、AI提供元が内部処理を公開しない限り外部からは検証できません。「GPTBotがllms.txtを取りに来ていた」という事実は、「ChatGPTがそのサイトを正しく理解した」ことの証拠にはなりません。この線引きを崩さないことが、AI検索まわりの施策を判断するうえで最も重要な作法です。
例外:開発者向けAIエージェントが取りに行くケース
ここまでの内容は「AI検索の引用対策としては裏付けがない」という話です。ただし、llms.txtが実際に読まれている用途がひとつだけ確認されています。
Claude CodeやCursorのような開発者向けAIエージェントが、ユーザーから明示的にドメインを指定されたときに、そのサイトのllms.txtを取りに行くケースです。前章のAhrefs調査でも「AIエージェント・関連インフラ」が10.5%を占め、その中にClaude Codeが挙がっています。AI検索用取得ボットの1.1%より、明確に大きい数字です。
「AI検索で引用される」話とは別物である理由
この2つは、起点となる行動がまったく違います。
| 比較軸 | AI検索での引用 | 開発者エージェントによる取得 |
|---|---|---|
| 起点 | ユーザーが「業界名+サービス」等で質問する | ユーザーが「このドメインのドキュメントを読んで」と指定する |
| サイトの発見方法 | AI側のインデックスから候補を選ぶ | 指定されたURLへ直接アクセスする |
| llms.txtの役割 | 候補入りに寄与するという裏付けはない | 目次として機能し、必要なページへ最短で誘導できる |
| 効果が届く相手 | 一般の検索利用者 | そのサイトのAPIやドキュメントを使う開発者 |
後者は「発見してもらう」施策ではなく、「すでに来ている相手を迷わせない」施策です。AI企業各社が自社のドキュメントサイトにだけllms.txtを置いているのは、まさにこの用途を狙っているからだと考えるのが自然です。
この用途に当てはまるサイト・当てはまらないサイト
| 当てはまる | 当てはまりにくい |
|---|---|
| API・SDK・ライブラリの公式ドキュメント | 会社案内・サービス紹介中心のコーポレートサイト |
| 開発者が実装しながら参照する技術リファレンス | 地域密着型の店舗・クリニック等のサイト |
| SaaSのヘルプセンター・導入ガイド | 採用サイト・IRサイト |
| 設定項目やパラメータの一覧を持つ製品サイト | ページ数が数十程度の小規模サイト |
右側に当てはまるサイトの場合、llms.txtに割く工数は、AI検索まわりで効果が確認されている他の施策に回したほうが合理的です。何を優先すべきかは AI検索時代のSEO完全ガイド に整理しています。
llms.txtの状態を自分で検証する手順
すでにllms.txtを設置している、あるいはこれから設置する場合に、何が確認できて何が確認できないのかを明確にしておきます。「AIが読んで理解したか」は原理的に検証できません。検証できるのは、あくまで観測可能な事実だけです。
検証1|ファイルが正しく配信されているか(設置直後)
まずファイルが意図どおり配信されているかを確認します。ターミナルから次のコマンドを実行するのが最短です。
curl -s -o /dev/null -w 'status=%{http_code} type=%{content_type} redirects=%{num_redirects}\n' https://自社ドメイン/llms.txt合格ラインは次の5項目です。
| 確認項目 | 合格ライン | よくある不合格 |
|---|---|---|
| HTTPステータス | 200 | 404(設置場所がルート直下でない)/301(wwwあり・なしの片方だけ設置している) |
| リダイレクト回数 | 0 | 1以上=アドレスが正規化されていない |
| Content-Type | text/plain を含む | text/html =サーバーがHTMLとして返している |
| 文字コード | charset=UTF-8 で日本語が文字化けしない | 日本語部分が「???」等になる |
| 記載したリンク | 全部が200・リダイレクト0 | 旧URLのまま書いて301経由になっている |
この5項目が全部合格でなければ、そもそも読まれる以前の問題です。特に最後のリンク検証は忘れられがちで、サイトリニューアル後のllms.txtは古いURLが残っていることが少なくありません。
検証2|llms.txtに実際にアクセスが来ているか(設置から30日後)
設置から30日ほど経ったら、サーバーのアクセスログを見ます。どのボットが取りに来たかは、ログでしか分かりません。
grep 'llms\.txt' access.log | grep -o -E 'GPTBot|ClaudeBot|PerplexityBot|OAI-SearchBot|Google-Extended' | sort | uniq -c| 30日間の結果 | どう解釈するか |
|---|---|
| AI系ボットのリクエストが1件以上 | そのボットは少なくともファイルの存在を認識している。ただし引用に使われた証拠にはならない(読んだ=使ったではない) |
| AI系ボットのリクエストが0件 | Ahrefsが2026年5月に137,210ドメインを調べた結果と同じ状態。同調査ではllms.txtファイルの97%がリクエスト0件であり、これが現在の標準的な結果。異常ではない |
| SEO監査ツールのUAばかり | これも同調査で最多(21.7%)。llms.txtを取りに来るアクセスの大半はAIではなく監査ツール |
この検証で何が言えて、何が言えないか
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| ファイルが技術的に正しく置けている | AIがサイトを正しく理解した |
| どのボットが取りに来たか | llms.txtのおかげでAIに引用された |
| 来ていないなら、期待値を下げるべきだと分かる | 置いていないより有利になっている |
AI検索での引用状況を見たい場合は、llms.txtの効果とは切り離して測ってください。ChatGPT・Perplexity・Geminiに自社名や「業界名+サービス」で質問し、月1回・同じ質問文で引用の有無を記録するだけで十分です。
ただし、llms.txtを置いた月と置く前の月を比べても、AI側のモデル更新やインデックス更新が同時に走っているため、llms.txt単独の効果には切り分けられません。この点を承知したうえで記録するのが誠実なやり方です。なお1つの質問が内部で複数の検索に分解される挙動については クエリファンアウトの解説記事 で扱っています。
当サイト(codequest.work)での実測
手順だけでは実感が湧かないため、当サイトのllms.txtを実際に検証1にかけた結果を公開します。2026年8月1日時点の実測値です。
| 確認項目 | codequest.work/llms.txt の実測値 | 判定 |
|---|---|---|
| HTTPステータス | 200 | 合格 |
| リダイレクト回数 | 0 | 合格 |
| Content-Type | text/plain; charset=UTF-8 | 合格 |
| ファイルサイズ/行数 | 75,024バイト/323行 | — |
| 記載リンク数 | 256本(自社ドメイン248/外部8) | — |
| リンクの到達性 | 255本が200・リダイレクト0/1本が404 | 要修正 |
ファイル構成は、見出し行 # CodeQuest.work とサイト概要行に続いて、サービス・無料ツール・著書・運営サイト・運営者情報・Sitemaps・テーマ別ガイド・投稿・固定ページ・カテゴリー・タグなど13のセクションを持ちます。
ここで実際に見つかった不具合を共有します。404を返した1本は、当サイト運営者の著書を紹介するAmazonの商品ページでした。ブラウザで開いても「ページが見つかりません」と表示され、コマンドの誤検知ではなく本物のリンク切れでした。調べ直すと、同じ書籍が別の商品IDで正常に存在していました。商品ページのIDが振り直され、llms.txtに書いた旧URLだけが取り残されていた形です。サイト内の他の箇所(ヘッダー・著者ページ・構造化データ)はいずれも新しいIDに更新されており、llms.txtを生成している箇所だけが更新から漏れていました。この記事の公開にあわせて修正済みです。
llms.txtは一度作ると内容を見直す機会がほとんどありません。だからこそ、記載リンクの到達性チェックは設置時に1回やって終わりにせず、定期的に回す必要があります。256本中1本という数字は、全体の0.4%にすぎませんが、その1本が最も伝えたい情報だという事態は普通に起こります。
あわせて運用上の注意も1つ。外部リンクは、大手ECサイトなどボット判定を持つ相手だとコマンドからのアクセスに対して通常と違うステータスを返すことがあります。異常が出たリンクはブラウザで開いて裏を取ってから修正・削除を判断してください。今回はブラウザでも404だったため、リンク切れと確定できました。
なお検証2(サーバーログのボット別リクエスト数)は、当サイトでは未計測です。この記事の公開時点で公開できる一次データを持っていないため、検証2は読者が自分のサーバーで実施する手順としてのみ提示しています。推定値を実測のように書くことはしません。
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それでも置くべきか — 条件付きの結論
ここまでの根拠を踏まえた判断です。llms.txtは「置いてはいけないもの」ではありません。Googleも「他のサービスのために維持するのはまったく問題ない」と明言しています。問題は、期待値と投じる工数が釣り合っているかどうかです。
置く価値がある条件
次のいずれかに当てはまるなら、設置する合理性があります。
- 開発者がAIエージェント経由で読む技術ドキュメントを持っている(実測で取得が確認されている唯一の用途)
- サイト構成を機械可読な形で整理しておくこと自体に、社内の運用メリットがある
- 自動生成の仕組みがすでにあり、追加の維持コストがほぼゼロである
- 将来どこかの提供元が対応した場合に、すぐ乗れる状態にしておきたい(費用対効果を理解したうえでの先行投資として)
置く必要が薄いケース
- 手作業で毎回メンテナンスする必要があり、更新が止まることが目に見えている
- 「AI検索で引用されるようになる」という期待だけが設置理由になっている
- 外注費を払ってまで作ろうとしている(現時点の裏付けに対して費用が見合わない)
- sitemap.xmlや構造化データなど、効果が確認されている基礎がまだ整っていない
llms.txtより先に効く施策
Googleの生成AI最適化ガイドが「優先せよ」と挙げているのは、いずれも従来から効果が確認されている施策です。llms.txtに時間を使う前に、こちらが埋まっているかを確認してください。
| 優先すべき施策 | なぜ先なのか |
|---|---|
| クロール可能な技術構造の整備 | AI系ボットもrobots.txtで制御される。ここを閉じていると他が全部無効になる |
| robots.txtでのAIボット許可の明示 | OpenAI・Anthropic・Perplexityが公式に案内している唯一の制御手段 |
| 独自性のあるコンテンツ | 引用対象に選ばれる条件そのもの。一般論の再掲は候補に入りにくい |
| 構造化データ(JSON-LD)の実装 | ページの意味を機械可読にする、実際に使われている仕組み |
| Search Consoleの生成AIレポート確認 | Google側の生成AI機能での実績を、推測でなく数値で確認できる |
なおGEO・AIO・AEO・LLMOといった呼び方の違いは、AIO・AEO・GEO・LLMOの違い に整理しています。llms.txtがこれらすべてに効くという説明を見かけますが、そのいずれについても、llms.txtが効くという公式の表明も実測の裏付けも現時点では存在しません。広告予算との配分を検討している場合は 広告とSEO・AEO・LLMOの使い分け も参考になります。
この表の優先順位を、サイト制作の時系列に置き直したものはGEO・AIO対策は何から?記事0本の日に決まる着手順にまとめました。新規サイトであれば、上4つは1記事目を書く前に片付けられます。
よくある質問
Q. llms.txtを置くとGoogleの検索順位は上がりますか?
上がりません。Googleは公式ドキュメントで「これらのファイルはGoogle検索に必要なく、サイトの表示や順位にマイナスにもプラスにも影響しない」と明記しています。Google検索はllms.txtを無視すると書かれているため、順位目的での設置には根拠がありません。
Q. どのAIがllms.txtを読んでいますか?
2026年8月時点で、自社AIがllms.txtを読んでいると公式に表明している提供元はありません。Google・OpenAI・Anthropic・Perplexityの公開ドキュメントを確認した結果、サイト側の制御手段として案内されているのはいずれもrobots.txtで、llms.txtの記載はGoogleの「使っていない」という否定のみでした。
Q. 置いても意味がないなら、置かなくていいですか?
AI検索での引用を増やす目的なら、現時点で優先度は低いと判断してよいです。ただし開発者向けの技術ドキュメントを公開しているサイトは例外で、Claude Codeのような開発者向けAIエージェントが取得している実測データがあります。自動生成できて維持コストがほぼゼロなら置いておく判断も合理的です。
Q. robots.txtとの違いは何ですか?
robots.txtはクローラーの挙動を制御する標準仕様で、Disallowによる拒否だけでなくAllowによる許可も記述できます。各AI提供元が公式に対応を表明しているのはこちらです。llms.txtはサイトの概要と主要ページを案内する提案仕様で、標準化されておらず、読むと表明した提供元もありません。
Q. すでに設置しています。外したほうがいいですか?
外す必要はありません。Googleは「他のサービスやシステムのために維持するのはまったく問題ない」とし、順位への悪影響も否定しています。ただし内容が古いまま放置されていると、取得された場合に誤った情報を渡すことになるため、更新できないなら削除する判断もあり得ます。
Q. 効果が出ているかどうかは、どうやって確かめますか?
確かめられるのは「ファイルが正しく配信されているか」と「どのボットが取りに来たか」の2点だけです。AIが読んで理解したか、引用が増えたかは外部から検証できません。アクセスログでAI系ボットのリクエスト数を数え、来ていなければ期待値を下げる、という使い方が現実的です。
Q. 「日本ではまだ導入が少ないので今なら先行できる」という説明は正しいですか?
「先行できる」という部分に根拠がありません。先行が有利になるのは、読み手が存在する場合だけです。読むと表明した提供元がなく、実測でも97%が1件もリクエストを受けていない状況では、早く置いても得られるものが確認できません。国内導入率についても、母数と時点が明示された調査を確認できていません。
まとめ
llms.txtは「置けばAIに引用される」ファイルではありません。少なくとも2026年8月時点では、それを裏付ける公式表明も実測データも存在しないというのが、確認できた事実です。
- Googleは公式ドキュメントで「Google検索は使わない・順位にも表示にも影響しない」と明記している
- OpenAI・Anthropic・Perplexityの公開ドキュメントには、llms.txtを読むという記述がない(案内はrobots.txtのみ)
- 137,210ドメインを対象とした実測調査で、llms.txtの97%が1件もリクエストを受けていない
- 取りに来ている最大勢力はSEO監査ツール(21.7%)で、AI検索用の取得ボットは1.1%
- 唯一実測で確認できる用途は、開発者向けAIエージェントによるドキュメント取得
- 検証できるのは配信状態とボットのアクセス有無まで。引用への寄与は外部から測れない
この判断を踏まえたうえで設置すると決めたなら、書き方と設置手順は llms.txtの実装マニュアル にまとめてあります。逆に「まず効果が確認されている施策から埋めたい」という場合は AI検索時代のSEOガイド を先に読んでください。
▶ Direbaseでllms.txtと構造化データの状態をまとめて診断する
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