LP1枚か複数ページか|検索クエリ数と検討期間で決める判定手順


「LPを1枚だけ作るか、複数ページのサイトにするか」。この判断で止まっているとき、材料に「LPはSEOに弱いらしい」という話が混ざり込みます。その話を先に外さないと、決まるものも決まりません。

LP1枚か複数ページかは、SEOの強い弱いでは決まりません。決めるのは「その商材を探す人が打つ検索クエリが、答えの違いで何本に割れるか」と「買うまでの検討期間がどれだけ長いか」の2つです。この記事では、その2つを手元で数えて、構成を1つに確定させるところまでを扱います。

すでにLPがあって、検索に出ないことで困っている場合はこの記事ではありません。原因の切り分けはLPが検索に出ない原因の特定手順にまとめてあります。ここで扱うのは、まだ作っていない、あるいは今の1枚を割るかどうかを決める段階です。


先に外す前提|ページ数はそれ自体では順位を決めない

判定に入る前に、前提を1つ外します。「多ページのほうがSEOに強い」という通説です。これはGoogleの公式ドキュメントと噛み合いません。以下の引用はすべて英語版から2026年8月2日に取得したものです。

サイト構造の作り込みが効き始めるのは数千URLを超えてから

Google検索セントラルのSEOスターターガイド(英語版)には、サイトの構成についてこう書かれています。

Don’t drop everything and start reorganizing your site right now though: while these suggestions can be helpful long term (especially if you’re working on a larger website), search engines will likely understand your pages as they are right now, regardless of how your site is organized.

Google検索セントラル「SEO Starter Guide」

「今すぐ全部を放り出してサイトを組み替える必要はない。長期的には役に立つ提案だが、検索エンジンは今の構成のままでもページを理解できるだろう」という意味です。同じページには、構成が効いてくる規模もはっきり書かれています。

If you have more than a few thousand URLs on your site, how you organize your content may have effects on how Google crawls and indexes your site.

Google検索セントラル「SEO Starter Guide」

「数千を超えるURLを持つサイトなら、コンテンツの整理の仕方がクロールとインデックスに影響しうる」。裏を返せば、数ページから数十ページの規模では、ディレクトリの切り方が順位を左右する場面はほとんどないということです。「SEOのために多ページにする」という理由は、この規模では成立しません。

分量とE-E-A-Tの話は、別記事で検算済み

「LPは文字数が少ないから弱い」「多ページのほうがE-E-A-Tが育つ」という2つの通説も、公式ドキュメントと衝突します。スターターガイドは分量について「The length of the content alone doesn’t matter for ranking purposes」と書き、E-E-A-Tを扱った項目「Thinking E-E-A-T is a ranking factor」には「No, it’s not.」と答えています。有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成(英語版)にも「Googleが好む文字数があると聞いたので、その文字数に合わせて書いていませんか(そんなものはありません)」という自己点検の質問が置かれています。

この2点は原文と訳を並べてLPが検索に出ない原因の特定手順で検算しているので、根拠を確かめたい場合はそちらを読んでください。ここでは結論だけを使います。分量もページ数も、それ自体が順位を決める値ではありません。

では孤立した1枚が弱く見えるのはなぜか

実感として「LPは検索に出ない」は当たっていることが多いです。ただし理由は分量ではなく、Googleがそのページに辿り着く道があるかどうかです。Google検索の仕組み(英語版)には、Googleが新しいURLを見つける経路がこう書かれています。

Other pages are discovered when Google extracts a link from a known page to a new page: for example, a hub page, such as a category page, links to a new blog post.

Google検索セントラル「In-depth guide to how Google Search works」

「すでに知っているページから新しいページへのリンクをGoogleが抜き出すことで、そのページが見つかる」。広告の着地先としてだけ作られたLPは、どこからもリンクされていないことが珍しくありません。同じページには次の一文もあります。

Indexing isn’t guaranteed; not every page that Google processes will be indexed.

Google検索セントラル「In-depth guide to how Google Search works」

「インデックスは保証されない。Googleが処理したページのすべてがインデックスされるわけではない」。1枚か複数ページかという構成の話と、Googleに見つけてもらえるかという発見経路の話は、別の問題です。構成をどちらに決めても、すでにあるページから本文中のリンクを1本張るところは共通してやることになります。

今あるページがGoogleから見てどう読めているかを先に確かめたい場合は Direbase(ディレベース) が使えます。URLを入力すると、見出し構造・メタタグ・構造化データをまとめて確認できます。


【判定】3つの数字で、LP1枚か複数ページかを決める

ここからが本題です。判定に使うのは次の3つだけで、有料ツールも順位計測も要りません。紙かメモアプリに3行書ければ十分です。

測る3つの数字

測る数字測り方
①クエリの本数その商材を探す人が打つ語を書き出し、答えの違う語だけを数える
②検討期間初回接触から申込・購入までにかかる日数
③更新予定今後1年で情報を書き足す予定があるか

①クエリの本数は「答えの違い」で数える

手順は3つです。

  1. Google検索でその商材の言葉を入れ、サジェストに出た語を書き出す
  2. 検索結果の下部にある「他の人はこちらも検索」の語も書き足す
  3. 書き出した語のうち、同じ1つの答えで満足する語を1本に畳む

3番目が肝心です。言い方が違うだけの語を別々に数えると、本数が実態より多く出て、要らないページを作ることになります。

実例として、本サイトの記事1本を Search Console で調べた結果を挙げます(2026年5月4日〜7月31日の90日間・2026年8月2日取得)。フォームツールの選び方を書いた1ページが、この期間に10本のクエリで表示されていました。表示回数の多い順に4本を並べます。

クエリ表示回数平均掲載順位
lp お問い合わせ フォーム3727.1
ランディングページ 問い合わせフォーム3028.6
静的サイト 問い合わせフォーム1040.8
web3forms79.9

上の2本は言い方が違うだけで、返すべき答えは同じです。この2つは2本ではなく1本と数えます。一方で最後の1本はツール名を名指しで探しているので、返す答えが違います。これは別の1本です。この数え方でいくと、このページの実質的なクエリ本数は3本前後になります。

あわせて分かるのは、1ページが複数のクエリで表示されるのは普通の挙動だということです。「1ページ=1キーワード」という前提でページ数を決める必要はありません。

②検討期間は「初回接触から申込までの日数」

手元にデータがあれば、その中央値を使います。無ければ直近10件の申込や商談を思い出して、「その場で決める」「1〜2週間」「1か月以上」の3択で自己申告すれば十分です。判定に使うのは境目だけなので、細かい精度は要りません。

目安として、単価が低く比較対象が少ないものは短くなり、社内の承認や相見積もりが入るものは長くなります。迷ったら長いほうに倒してください。短いと見積もって1枚で作ると、あとで割り直す作業が発生します。

③1年以内に書き足す予定があるか

事例・実績・料金改定・よくある質問。これらを今後1年で足す予定があるなら「あり」です。予定が無いなら「なし」で構いません。ここが「あり」なら、1枚のページは縦に伸び続けることになります。

判定表|上から順に見て、最初に当てはまった行を採用する

当てはまる条件結論
②が1か月以上、または③が「あり」複数ページで作る
②がその場で決める、かつ①が3本以上LPに2〜3ページを足す
②がその場で決める、かつ①が1〜2本LP1枚で作る

順番に意味があります。②と③は「読者が何度も戻ってくるか」「情報が増えるか」という時間の軸で、ここに当てはまる時点で1枚には収まりません。①はその次に見る軸です。

なぜこの3つで決まるのか

  • ①答えが1つしか無いのに分けると、中身のよく似たページが並びます。これはGoogleがスパムポリシーで挙げている状態に近づきます(後の章で扱います)。
  • ②検討期間が長い読者は、同じサイトに2回3回と戻ってきます。1枚に全部積むと、2回目の訪問で目当ての箇所まで延々スクロールさせることになります。
  • ③書き足す予定があるのに1枚で始めると、増えた情報に直接リンクできません。URLが分かれていないので、「料金はここ」と案内する先が作れません。

【記入例】3つの商材で判定シートを埋めてみる

自分の商材に当てはめる前に、3つの例で埋め方を見てください。3つとも判定結果が違います。

商材埋めた数字判定
地域の整体院①3本/②その場/③なしLPに2〜3ページ
月額課金の法人向けサービス①7本/②2か月/③あり複数ページ
単発のオンラインセミナー①1本/②その場/③なしLP1枚

例1|地域の整体院

書き出した語は「地名+整体」「肩こり 整体 地名」「整体 料金 地名」「整体 口コミ 地名」の4つでした。このうち前の2つは、どちらも「どんな院で、何をしてくれるのか」を知りたい語なので1本に畳みます。「料金」と「口コミ」は返す答えが違うので、それぞれ1本。合計3本です。

予約はその場で決まり、書き足す予定もありません。判定は「LPに2〜3ページを足す」。1枚の紹介ページに加えて、料金のページと施術例のページを作る形になります。

例2|月額課金の法人向けサービス

「サービス名」「カテゴリ名+比較」「カテゴリ名+料金」「導入事例」「業務名+やり方」など、返す答えの違う語が7本ありました。社内の稟議があるため申込までに2か月かかり、導入事例も増やしていく予定です。

②と③の時点で「複数ページ」が確定します。①を数えるまでもありません。この場合に迷うべきは枚数ではなく、どのページから作るかです。検討期間が長い商材では、比較と料金が最初に読まれます。

例3|単発のオンラインセミナー

語は「セミナー名」に集約され、実質1本。申込はその場で決まり、開催後に情報を足す予定もありません。判定は「LP1枚」です。

この形は、分けない理由がはっきりしている数少ないケースです。ただし1枚で作る場合も、開催後にそのURLをどう扱うかだけは先に決めておいてください。放置された告知ページは、終了後も古い日付のまま検索結果に残ります。


判定結果別|次に作るものを1つだけ決める

判定が出たら、次にやることは1つだけです。ここでは3つの分岐それぞれについて、最初の1手だけを示します。

判定最初に作るものその次
LP1枚上部の訴求と問い合わせ導線公開後の計測
LPに2〜3ページ追加ページの切り方URLの決め方
複数ページページの洗い出し階層の組み立て

A|LP1枚で作る

作り込む先は2か所だけです。上部で何のページか伝わるかどうかと、問い合わせが実際に送れるかどうか。上部の構成要素と表示速度の詰め方はファーストビュー改善でCVRを上げる方法にまとめてあります。

フォームは制作環境によって選択肢が変わります。WordPress・ノーコード・素のHTMLのどれで作るかで手順が違うので、制作環境別のコンタクトフォーム選びと実装方法を先に読んでおくと差し戻しが減ります。

B|LPに2〜3ページを足す

追加するページは「クエリ1本=1ページ」ではなく、返す答えが違うなら1ページで切ります。①で畳んだ結果が、そのまま枚数になります。畳んだ本数が3本なら、LPを含めて3枚です。

切り方が決まったら、URLをどう並べるかを先に決めておくと後が楽です。命名と階層のルールはURL設計・ディレクトリ構造の決め方にまとめています。

C|複数ページで作る

枚数が3つを超えるなら、いきなり作らずにページを洗い出してから階層に組みます。洗い出しから階層化までの手順はサイト構造の設計手順にあります。洗い出した結果を図にしておきたい場合はディレクトリマップの作り方が使えます。

この記事で扱うのはここまでです。カテゴリ設計や記事の構成まで広げると、せっかく1つに絞った判定がまた曖昧になります。


【検証】4週間後に、判定が当たっていたかを確かめる

判定は仮説です。公開したあとに答え合わせをします。使うのは Search Console だけで、他のツールは要りません。

手順

  1. 公開から4週間待つ
  2. Search Console を開き、「検索パフォーマンス」を選ぶ
  3. 「ページ」タブでそのURLを選択する
  4. 「クエリ」タブに切り替える
  5. 表示回数の多い順に、上位10行を読む

見るのは順位ではありません。並んでいるクエリが、何本の答えに割れているかです。①で数えたときと同じ基準で畳みながら読みます。

合否ライン

上位10行の見え方判定と次の一手
1つの答えで満足する範囲に収まっている判定は当たり。構成は変えない
2つ以上の答えに割れ、どちらも平均掲載順位が20位より下割れた答えごとにページを起こす
クエリが1行も出ない順位ではなく発見の問題。原因の切り分けへ進む

3行目に当たった場合、内容を書き足しても動きません。HTMLとSearch Consoleを使った切り分けの手順はLPが検索に出ない原因の特定手順にまとめてあるので、そちらに進んでください。この記事の検証はここで止めます。

数える前に知っておく注意

Search Console のクエリ一覧は、実際に検索された語をすべて出しているわけではありません。Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポートのディメンションとデータのグループ化」(英語版)には、次の2つが明記されています(2026年8月2日取得)。

Anonymized queries: Some queries are omitted from the report to protect user privacy.

Data truncation: Due to internal limitations, Search Console stores and shows only the most important data rows.

Search Console Help「Performance report (Search results): Dimensions and data groupings」

プライバシー保護のために出さないクエリがあること、内部の制限で重要な行だけを保存・表示していることの2点です。つまり表に出ている本数は、実際に検索された本数より少なく出ます。「1行も出ない」と「数行しか出ない」を同じ扱いにしないでください。前者は発見の問題、後者は判定どおりに動いている可能性があります。

4週間という期間も目安です。公開直後はクロール自体が終わっていないことがあり、その場合クエリは1行も出ません。前章で引いたとおりインデックスは保証されないので、待っても出ないときは内容ではなく発見経路から疑ってください。


やってはいけない分け方|地域違い・言い換え違いでページを増やす

判定で「複数ページ」が出たあと、最も踏みやすいのがこの落とし穴です。ページを分ける方向が決まると、分ける単位を検索語に合わせたくなります。

Googleが名指ししている例

Google検索のスパムに関するポリシー(英語版)は「ドアウェイの濫用」を次のように定義しています(2026年8月2日取得)。

Doorway abuse is when sites or pages are created to rank for specific, similar search queries.

Google検索セントラル「Spam policies for Google web search」

「特定の、似通った検索クエリで順位を取るために作られたサイトやページ」。例示されている行為には、次の2つが含まれます。

Having multiple domain names or pages targeted at specific regions or cities that funnel users to one page

Creating substantially similar pages that are closer to search results than a clearly defined, browseable hierarchy

Google検索セントラル「Spam policies for Google web search」

「特定の地域や都市を狙った複数のドメインやページを用意し、ユーザーを1つのページに送る」「明確で辿れる階層ではなく、検索結果に近い、実質的によく似たページを作る」。地名だけを差し替えたページを並べる作り方は、ここに直接当たります。

地域で割るのと、料金や事例で割るのは何が違うか

前者は、読者に返す答えが同じで地名だけが違います。後者は、返す答えそのものが違います。判定の①で「答えの違いで数える」としたのは、この境目をそのまま使うためです。

ただし、地域で分けること自体が禁じられているわけではありません。拠点・スタッフ・実績・料金が実際に地域ごとに違うなら、それは返す答えが違うので別ページで構いません。境目は「テンプレートの地名だけを入れ替えているかどうか」です。

分けたくなったときの止め方

①が1〜2本しか無いのに分けたくなったら、分けたい理由を1文で書き出してください。書いた理由が「検索に多く引っかけたいから」なら止めます。「読者が別の答えを探しているから」なら分けて問題ありません。この1文が書けないときは、①の数え方がまだ済んでいないだけです。


まとめ

やることは3つです。

  1. 3つの数字(クエリ本数・検討期間・更新予定)を書き出し、判定表で構成を1つに決める
  2. 判定結果に応じて、最初の1手だけを作る
  3. 公開から4週間後、Search Console のクエリ一覧を見て、答えが何本に割れているかを数える

ページ数も分量も、それ自体では順位を決めません。決めるのは、読者に返す答えが何本あるかと、読者が何回戻ってくるかです。この2つが分かっていれば、構成の議論は数分で終わります。

構成が決まって公開まで進んだら、Direbase でそのページの見出し構造とメタタグを確認しておくと、4週間後の検証に入る前にHTML側の抜けを潰せます。


よくある質問(FAQ)

Q. LP1枚だけでも検索から人は来ますか?

来ます。ページ数は順位を決める値ではありません。ただし、どこからもリンクされていないページはGoogleが辿り着く経路を持たないため、内容とは別に発見の問題が起きます。すでに公開しているページから、本文中のリンクを1本張っておいてください。

Q. ページを増やせば検索順位は上がりますか?

上がりません。GoogleのSEOスターターガイドは、構成がクロールとインデックスに影響しうるのは数千を超えるURLを持つサイトだと書いています。数ページから数十ページの規模では、枚数を増やすこと自体が順位を動かす要因にはなりません。増やすかどうかは、読者に返す答えが何本あるかで決めてください。

Q. ひとつのページで複数のキーワードを狙えますか?

狙えます。本サイトの1ページを Search Console で確認したところ、90日間で10本のクエリで表示されていました(2026年8月2日取得)。1ページ=1キーワードという前提でページ数を決める必要はありません。言い方の違う語は、まとめて1ページで受けられます。

Q. 広告用のLPと検索用のページは分けるべきですか?

目的が違うので分けても構いませんが、分ける理由は「SEOのため」ではありません。広告用は1つの行動に絞るため導線を削り、検索用は読者が探している答えごとにページを立てます。判断軸が別なので設計も別になる、という順序です。同じ内容を2枚に複製するのは避けてください。

Q. 法人向けと個人向けで判定は変わりますか?

業態ではなく検討期間で変わります。法人向けが複数ページになりやすいのは情報量が必要だからではなく、社内の承認が入って検討期間が長くなるためです。個人向けでも高額で比較検討が入る商材なら、同じ判定結果になります。

Q. すでに作ったLPが検索に出ません。ページを分けるべきですか?

分ける前に原因を切り分けてください。分量やページ数ではなく、Googleがそのページを見つけているか、初期HTMLに読めるテキストがあるかが先です。手順はLPが検索に出ない原因の特定手順にまとめています。

Q. 判定はどれくらいの頻度で見直せばいいですか?

公開4週間後の検証が1回目で、そのあとは扱う商材が増えたときと、申込までの検討期間が明らかに変わったときだけで十分です。クエリの本数は季節で揺れるので、月単位で構成を作り替える必要はありません。